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くらし☆解説 「きけん! 立体駐車場に注意」

今井 純子  解説委員

きょうのテーマはこちら。
 
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今井解説委員です。
Q)こうした立体の駐車場。マンションでよく見かけますが、危険なのですね。

A)はい。危険です。人が機械に挟まれるといった事故がたくさん起きているのです。
この機械式の立体駐車場。狭い土地に、たくさんの車をとめられるということで、商業施設だけでなく、30年ほど前から、マンション向けにも急速に普及しました。
 
Q)時間貸しの駐車場でもありますよね。
 
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A)見かけますね。このように身近にあるタイプとしては、主に2つ。
▼ このように、クルマを乗せる台が2段か3段あって、上下に動くタイプ
▼ そして、エレベーターのように屋内に収納されるタイプがあります。
 
Q)国内にどのくらいあるのですか?

A)これまでに国内でおよそ54万基。292万台分が設置されています。ところが、この7年間で、人が亡くなったり、大けがをしたりする重大な事故が、少なくとも26件起きていて、10人が亡くなっていることがわかりました。
 
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Q)亡くなるケースもあるのですか。

A)そうなのです。このため、先週、消費者庁の、いわゆる事故調査委員会が、再発防止に向けて報告書をまとめたのです。
 
Q)どのような事故が起きているのですか?

A)いくつか典型的な例を見てみましょう。
 
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まず、こちらは、エレベーター方式の駐車場ですが、
▼ 車を装置の中にとめたあと、クルマの向こう側にいるこどもが装置の外に出たと思って、装置をしめるボタンを押した。ところが、実は、子どもはまだ装置の中にいて、クルマの向きを変えようとした機械とぶつかってしまった。という事故。
また、多段式の場合。
▼ クルマを出そうとしたところ、下から上がってきた台に、こどもが横から飛び乗ろうとして転んで、隙間に挟まれた。
▼ こどもを外に待たせて、車を出そうとしたところ、こどもが装置に触って台を動かしてしまい、車ごと落ちてしまった。
▼ 車をとめて、外からこどもをおろそうとしている間に、次の人が台を動かしてしまい、バランスを崩して落ちてしまった。こういった事故が起きています。
 
Q)操作盤からは、死角になって、見えないこともあるのですね。

A)ひとつの操作盤で、3列とか4列分、操作をする駐車場もあって、クルマの向こう側が、見えないケースもあります。クルマのドアが開いている状態で、隣の装置が動いてドアが壊れたといった事故も、たくさん起きています。
あと、こうした多段式の駐車場の場合、安全のため、ボタンを押している間だけ、台が動いて、手を離すととまる方式が多いのですが、台が上がったり下がったりするまでに、1分とか2分とか押し続けなければなりません。小さいお子さんが動き回ったり、大きな荷物を持っていたりすると、大変だということで、市販されているボタンを固定する器具を使う方も、結構多いそうなのです。
 
Q)ボタンが押されたままになるのですね。

A)そうです。手を離しても台が動いてくれるので、便利ではありますが、逆に、危険に気付いても、すぐにとめられなくて、悲惨な事故につながるケースも起きています。
 
Q)これまで対策は取られてこなかったのですか?

A)マンション用の立体駐車場の安全対策については、メーカーの業界団体が自主的な基準を定めていて、例えば、新しい装置については、前に鎖をつけて人が入り込めないようにするなど、順次、基準を厳しくしてきました。ただ、それでも、事故がまた起きるということで、今回、消費者庁の事故調査委員会は、発想を根本的に変えて、安全対策に取り組むよう、国土交通省などに求めました。
 
Q)発想を変える?

A)はい。重要なポイントです。これまで、メーカー側は、
▼ 装置の中で、人や荷物の出し入れをしてはいけない。装置の前のスペースでやってください。
▼ ボタンを固定する器具は、使ってはいけない。
▼ 他の人が使っているときに、次の人が使ってはいけない。
 
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こうしたことが、機械式の立体駐車場を利用する大前提だとして、これに反して、事故が起きても「想定外の使われ方」で、「使い方が悪かったからだ」としてきました。でも、実際、こうした使い方をする人は多いわけです。
例えば、子どもを外のスペースで降ろすと、どこに行くかわからない。ほかの車が行きかうし、かえって危険です。
 
Q)お子さんが装置に触って、事故が起きたというケースもありましたよね。

A)さらに、装置の前で、荷物の出し入れをすると、ほかのクルマの通行の妨げにもなってしまいます。
また、急いでいると、死角になかなか気が付かないケースもあります。
ということで、事故調査委員会は、こうした使い方。危険ではありますが、想定外ではない。実際にこうした使い方がされている。ということを前提に、それでも事故が起きないよう対策をとるよう求めたのです。
 
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Q)どうすればいいのですか?
 
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A)これからつくる駐車場については、例えば、
▼ 前面に柵を設けて、機械が動いている間は、人が中に入れないようにする。その上で、
▼ 万一の時のために、非常停止ボタンを操作盤や駐車場の中にも、わかりやすく設置する。
▼ さらに、万一、台に足などが挟まりそうになった場合でも、モノがあることを感知して、ぱっとあいてくれるセンサーを台の下につける・・
 
Q)エレベーターの扉のようなイメージですね。

A)そうですね。そして、エレベーター方式でも、
▼ 非常停止ボタンをわかりやすく設置したり
▼ 万一、閉じ込められて装置が動いても、ここに逃げれば安全というスペースをつくる
こういった対策を基準に盛り込み、法的な規制も検討するよう求めました。
 
Q)確かにこうした対策がとられると、少しは安心ですね。でも、すでにある駐車場。これはどうするのですか?

A)大きな問題ですよね。こうした対策を新たにとると、大規模な駐車場だと、数百万円どころか、数千万円以上かかることも考えられます。ただ、放っておくと、また事故が起きてしまう。ということで、事故調査委員会は、国土交通省に対して、
▼ 機械式の立体駐車場があるすべてのマンションなどについて、どういう対策ならとれるのか、管理組合やメーカーなどが検討する場を設けるよう求めました。
 
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▼ また、改修を促すための補助金を検討することや
▼ 何が危険で、万一の場合はどう対処したらいいのか、利用者に対して安全訓練を行うことなども求めています。
国土交通省やメーカーも、今月、一部の対策を基準に盛り込んだ上、さらに前向きに取り組むとしています。
 
Q)安全策がとられていない駐車場では、利用する時に、注意が必要ですね。
 
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A)本当に注意が必要です。
▼ できるだけ。できるなら。運転者以外は装置の中に入らないようにして、もし、こどもをクルマに乗せたまま入る場合は、こどもが装置の外に出たことを必ず確認してから、例えば、こどもとしっかり手をつないで、操作をするとか。
▼ よそのお子さんでも、駐車場の近くで遊んでいるのを見かけたら、危ないよと声をかける。
▼ さらに、利用する前には、死角になる部分も含めてすみずみまで確認してから操作をする。こうしたことが大事です。
 
Q)それでも、装置の中にいるときに、他の人が動かしてしまうケースもあるわけですよね。

A)そうしたことを含め、いろいろな危険があることを理解した上で、注意を払いながら利用しなければいけない。二度と悲惨な事故が起きないようにしなければいけないと思います。

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