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くらし☆解説 「爆発間近?! ベテルギウス」

水野 倫之  解説委員

くらし☆解説です。
きょうは、オリオン座の一角で、今、起きようとしている異変について。
オリオン座に赤く輝く1等星、ベテルギウスが間もなく死を迎え、大爆発を起こすと予想されているという。担当は水野倫之解説委員。
 
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Q:ベテルギウス、オリオンの肩の赤い星と言われれば、わかるくらいだが、爆発するとは本当?

A:いずれ爆発するのは間違いない。
距離は650光年、光の速さで650年かかる距離で、天文学的にはかなり近い距離。
爆発したら史上最大級の天文ショーになることは間違いない。
世界の天文学者が注目。
 
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ベテルギウスは、条件が良ければまだ日没後の西の空に見ることが。

こちら東京六本木、地上240mのビルの屋上。
先週、天体観察会が開かれ、ベテルギウスにも望遠鏡が向けられた。
「オリオン座のベテルギウス、赤っぽいやつですね」
「わー、本当だ」
「もうすぐ大爆発するんです」
訪れた人たちが専門家の説明に興味深く耳を傾けていた。

そしてこちらが宇宙にある望遠鏡で撮影した画像。
 
kkk140501_02.jpg

 

 

 

 

 

 

Q:赤いですね。

A:赤いのは表面の温度が低いから。
もう一つの特徴は大きさ。
直径は14億キロと太陽の1,000倍、
太陽系に置くと木星近くにまで達する超巨大な星。
星が太って赤くなるのは老化現象で、死が近づいている証拠。
 
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Q:星って変わらないと思っていた。

A:人と同じで星にも生死がある。
星は宇宙を漂うガスが集まって生まれるが大部分は水素。
水素同士が重力で集まり中心部で合体、核融合反応が起きて輝き始める。
ベテルギウスも100万年前はこの状態、
太陽の20倍くらいの細めの星だったと考えられてる。
時間がたつとともに核融合が進んで炭素や酸素など様々な元素が生まれ、
このときの膨大なエネルギーで温度が上がって星は膨張を始め、巨大な星へ。
実はもう星の晩年。

太陽よりもかなり重い星の場合は、鉄ができて反応は止まり、
星は自らの重力を支えきれなくなり、急速につぶれて、大爆発を起こして死ぬ。
 
Q:ベテルギウス、いつ爆発する?

A:一生の99.9%が終わっていて、近い将来爆発するのは確実、しかし
内部まで観測できないので予測は難しい。
光の速さで650年かかるので、もうすでに爆発しているかも。
100年後、あるいは数万年後かも。天文学では数万年も近い将来。

ただここ数年の詳細な観測で、
▽本体からガスが放出される様子が捉えられたり、
大きさを観測した結果、
▽普通の丸い星ではなく、表面からガスがコブのように湧きあがるなど、
爆発の兆候とも見られる様子が捉えられ、爆発はかなり近いと考える研究者も。
 
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Q:実際に爆発したらどのように見える?

A:一大天文ショー。
星の爆発研究の第一人者、東大の野本特任教授のグループが
理論に基づいて計算した結果。
▽爆発の瞬間、温度が急上昇し赤から青へ。
▽1時間後にはどの星よりも明るく輝く。
▽3時間後、明るさはさらに増し、満月に近いまぶしさでギラギラ。
▽昼間でも、明るくきらめき、この状態は3か月は続く。
▽やがて温度が下がって暗くなり4年後に肉眼では見えなくなる。
 
Q:早く見たい!

A:星の爆発は一つの銀河で100年に1回程度。
我々の太陽系がある天の川銀河でも、これまでに数回、肉眼で見えたという記録。
「藤原定家」が書いた「明月記」にも
「1054年におうし座の方角に木星くらいに明るい星が出現」という、
星の爆発とみられる記述あり。
 
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その方角には広がった天体あり。
「かに星雲」と呼ばれガスや塵が毎秒1300キロの猛スピードで広がっている。
逆算すると「かに星雲」は900年あまり前に一点に集まる。
 
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Q:ということはこの天体は明月記にある、1054年に爆発した星の今の姿?

A:爆発の残骸。
我々の銀河で最後に肉眼で爆発が観測されたのは1604年、
もう400年以上目撃されておらず、見てみたい。
というのも星の爆発は、単なる天文ショーではなく、
我々の存在にも重要な意味を持つ。
 
Q:どういうこと?

A:星の中心では核融合で鉄まで元素が作られる、
それより重い金や銀などの元素は、
星の爆発の瞬間のすさまじいエネルギーで合成されたとも考えられてる。
こうした元素はまき散らされるが、
長い時間をかけて重力で再び集まり、この中から太陽のような星や、地球のような惑星が誕生、さらにはその元素をもとに我々のような生命が誕生。
 
Q:ますます見たくなりましたが、近いので怖い感じもする。

A:星が爆発するとγ線を大量に放出することが分かっていて、地球を直撃する心配も。
ただこれまでの研究からγ線の放出は星の自転軸から2度の範囲内。
ベテルギウスの場合、自転軸は地球に対して20度ずれていることが分かり、大きな影響はないのではと考えられてる。
 
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もしも爆発を目の当たりにできれば、これは本当にラッキーなこと、
宇宙の歴史に思いをはせながら楽しんでほしい。
 

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