土曜解説 「検証・エジプト政変」2011年02月19日 (土)

出川 展恒  解説委員

【岡部 徹 キャスター】
こんにちは。2月19日の「土曜解説」、岡部徹です。

【結城さとみ キャスター】
結城さとみです。

【岡部】
30年間に及ぶムバラク政権が崩壊したエジプトでは、
暫定的に政権の座に就いた軍の「最高評議会」が、
民主化へのロードマップを発表しました。
「軍事政権による民主化」という試みはうまくいくのでしょうか。
そして、民衆のデモが独裁政権を倒すという現象は、
どこまで拡大していくのでしょうか。
きょうの「土曜解説」は、エジプトの政変と中東情勢の今後について考えます。

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スタジオは、早稲田大学准教授で、エジプト政治がご専門の
鈴木恵美(すずき・えみ)さん。
そして、中東問題担当の出川展恒(でがわ・のぶひさ)解説委員です。
では、まず、今回のエジプトの政変を簡単にふり返ってみたいと思います。

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【映像・結城読み】
ムバラク大統領の辞任を求める民衆のデモは、先月25日に始まりました。
このデモの拡大を受けてムバラク氏は、
9月に予定されていた大統領選挙には立候補せず、引退する意向を表明。
就任以来、初めて副大統領を置き、閣僚や与党の幹部を入れ替えるなど、
任期を全うして、「名誉ある引退」を目指しました。
しかし、デモに参加した民衆は納得せず、あくまで即時辞任を要求。
軍も、最後は、ムバラク氏を守ろうとはしませんでした。
11日、ムバラク氏の辞任が発表され、
「軍の最高評議会」が、暫定的に政権を引き継ぎました。
13日、最高評議会は、憲法を停止し、議会を解散。
憲法改正のための国民投票を経て、6か月以内に大統領選挙と議会選挙を行い、
新しい民主的な政府をつくると発表しました。

【岡部】
鈴木さん、盤石と思われていたムバラク政権を、
わずか18日間で崩壊させた今回の政変の性格について、
どのようにご覧になっていますか。

【早稲田大学准教授(エジプト政治) 鈴木恵美さん】
今回の政変には2つの側面があります。
ひとつは、軍によるクーデターで、もうひとつは、大衆革命です。
まず、軍によるクーデターについてですが、
注目されるのが、1月31日の軍による声明です。
この声明は、デモが平和裏に行われるならば、
軍は大衆に対し暴力を行使しないという内容のものでした。
これにより、デモはさらに大規模化し、
翌2月1日にムバラク大統領は、
これまで噂されていた次男ガマルへの政権委譲と、
9月に予定されていた大統領選挙での
自身の立候補を断念する声明を出しました。
これまで、軍のなかには、
ガマルの大統領就任を快く思わない勢力がいると噂されてきましたが、
真相は不明のままでした。
しかし、1月31日の軍声明と2月1日の大統領声明により、
噂が事実であることが証明されました。
これは、軍による一種のクーデターといえるでしょう。
次に、大衆革命の側面ですが、2月1日以降、ムバラク大統領は、
新しく副大統領に任命したスレイマンのもとでの政治改革の実施を試みます。
軍もこれを支持し、デモ隊側に撤収するよう呼びかけます。
しかし、フェイスブックやツイッター等で集まった
大衆の勢いを止めることができず、
軍はついにムバラクに引導を渡すことになりました。
これが大衆革命としての側面です。

【結城】
出川さん、その「軍の最高評議会」は、
あくまで、自分たちは、民主的な新体制ができるまでの、
暫定的な政権担当であると強調し、
民主化に向けたプロセスを発表しましたが、その中身は。

【出川展恒 解説委員】

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軍の最高評議会が、13日、発表した声明によりますと、
▼これまでの憲法は無効とし、▼議会も解散する。
そのうえで、▼「憲法改正のための委員会」をつくります。
▼委員会は、憲法改正案を作成し、▼その是非を問う「国民投票」を行います。
こうして、公正で民主的な選挙制度を確立したうえで、今年8月までに、
▼大統領選挙と議会選挙を行い、新しい正式な政権を発足させる計画です。
一連のプロセスにかける時間は、およそ6か月。
軍の最高評議会が国を治め、
そのトップの議長に就任したタンタウィ国防相が、臨時の国家元首を務めます。

【岡部】
鈴木さん、これまでの憲法を作り直して、
それで良いかどうかを国民投票で問うということですが、
なぜそんなことが必要なのですか。

【鈴木】
憲法改正草案で注目されるポイントは5点です。

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これらは、大統領と議会の権限を制限するという特徴があります。
草案の作成に携わったのは法律家と裁判官で、
これまで与党との関係がなかった人物たちです。
憲法改正は、デモ隊が強く要求してきたことです。
軍最高評議会は、国民の信頼を勝ちえ、反発を抑えるためにも、
非常に早いスケジュールで憲法改正の手続きを進めることになりました。

【岡部】
人民議会の議員さんたちは、去年の秋の選挙で選ばれたばかりです。
なぜ、解散する必要があったのでしょうか。

【鈴木】
エジプトにおける議会とは、これまで、
与党が9割という圧倒的な数の議席を占める「体制翼賛型議会」でした。

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選挙も、与党に有利に進められるなど、公正に実施されてきませんでした。
議会は、長らく、「国民の代表者」である議員が、
与党が立案した法律を拍手で承認するという場だったのです。
政変の2か月前に実施された選挙で新しく召集されたばかりの議会ですが、
この選挙でも大規模な不正が指摘されてきました。
軍最高評議会は、新体制を構築するうえで、
このような議会を認めることができず、解散することになったのです。

【結城】
出川さんは、実際、エジプトの議会選挙を取材していますね。
どういう選挙でしたか。

【出川】
2005年に行われた
エジプトの大統領選挙と議会選挙を取材しましたが、
ほんとうにひどい選挙でした。
有力なライバルや野党は、立候補の段階から排除、弾圧され、
ムバラク大統領と与党・国民民主党が圧勝するしくみです。

とくに議会選挙、野党候補の優勢が伝えられる選挙区では、
投票所の入口の前に、大勢の警察官がならんで、
候補者が投票所に入るのを妨げているのを目撃しました。
つまり、投票させないのです。
また、外国のテレビ局が撮影したのですが、
投票箱の中に、与党の関係者と見られる人物が、
こっそり、大量の票を入れている場面の映像があります。
間違いなく、不正な票の操作も行われているのです。

さて、私から、鈴木さんに質問です。
2か月以内に国民投票を実施し、
6か月以内に大統領選挙と議会選挙を実施し、
新政権を発足させると言っていますが、これは日程的に可能でしょうか。

【鈴木】
半年の間で全国規模の選挙を3回実施するという
時間的に余裕のないスケジュールですが、不可能ではありません。
ただ、人民議会選挙は地方では有力家系どうしの争いになり、
毎回流血の事態に発展してきました。
今回も混乱する恐れがあります。

【結城】
軍の発表を見る限り、
民衆側の要求を受け入れた民主化プロセスになっていると思いますが、
今、エジプトでは、
待遇改善を求める公務員や企業の従業員らのデモが拡大しています。
鈴木さん、独裁者は追い出したものの、
社会の矛盾が解消されたわけではないということですね。

【鈴木】
食糧価格の暴騰や失業問題、汚職などは、
ムバラク時代に深刻化したのは事実ですが、
今に始まったことではありません。
ムバラク政権は、小麦や砂糖、油など生活の基本物資に
巨額の補助金を投入してきました。
ですが、近年の世界規模での食糧価格の暴騰には太刀打ちできなかったのです。
失業問題についても、公務員を大量に採用するなど、
それなりの対策を実施していましたし、
経済成長率も5%前後を維持してきました。
しかし、エジプトの人口増加はそれを上回る勢いだったのです。
汚職問題は、デモ隊が最も非難していた問題で、
新政府は、この問題に全力で取り組むでしょう。

【岡部】
そのような問題をエジプト社会が抱える中で、
軍は、それ自体が巨大な利益集団だとも言われます。
鈴木さん、エジプト軍というのはどんな組織なのですか?

【鈴木】
エジプト軍には3つの役割があります。

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1つ目は国家防衛、
2つ目は県知事や省庁の幹部などの行政組織の長、
3つ目は複合企業としての役割です。
軍は戦争をしなくなって38年、
イスラエルと平和条約を締結して32年ほど経過していますので、
その間、企業活動に従事してきました。

【結城】
どんな企業を持っているのですか。

【鈴木】
航空産業、ホテル経営、建設業、清涼飲料水などの食品会社など
実に多岐にわたります。
ムバラクがいなくなっても、これらの権益はなくならないというわけです。

【結城】
エジプト人は、軍を非常に信頼していると言われますが、
もし民主化の過程で、軍の権益が脅かされるようなことになれば、
どうなるでしょうか。

【鈴木】
軍の財政は、毎年アメリカから提供される
支援金で賄われている面が大きいので、
当面は、そのような恐れはないでしょう。
仮に、軍の利権が脅かされる事態になった場合は、
軍が全面的に介入するのではなく、
われわれの目に見えないような形で、政府に圧力をかける方法を取るでしょう。

【出川】
鈴木さん、政権を引き継いだ、「軍最高評議会」は、
ムバラク側近のタンタウィ国防相が議長を務めていますが、
はたして、この最高評議会、改革マインドがあると言えるのでしょうか。

【鈴木】
タンタウィ最高評議会議長やアナン参謀総長が、
個人としてどのような考えを持っているかは別にして、
現時点では、軍最高評議会の名で発表される改革は、
国民の要望に応える内容です。
今後変化する可能性は否定できませんが、
軍最高評議会とデモ隊の主流な組織は、密に連絡を取っているようですので、
当面、両者は協調的にやっていくでしょう。

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【岡部】
半年後に新しい大統領を選ぶことになるとは、
誰も予想していなかったわけですが、どんな人が出てくるのでしょうか。

【出川】
まず、ムバラク氏によって副大統領に指名されていたスレイマン氏は、
次の大統領になる目はなくなったという見方が有力です。
▼かわって浮上してきたのは、アラブ連盟事務局長のムーサ氏です。
元の外相で複雑な国際政治を知り尽くし、国民的な人気もあるため、
有力な大統領候補となりそうです。
▼IAEA・国際原子力機関の前の事務局長、
エルバラダイ氏も候補の1人です。
ただ、その国際的な知名度とは裏腹に、
エジプト国内では強い支持基盤がなく、
カリスマ性に欠けるという見方もあります。

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【鈴木】
あくまでも公正な選挙を実施した場合ですが、
大衆の人気を考えると、現時点で、圧倒的に有利なのは、
アムル・ムーサ氏でしょう。
エルバラダイ氏は、これまで長く海外に居住し、国内に基盤がありません。
これから半年で、国内でどれだけ基盤を作るかで、
事態は変わってくるでしょう。

【出川】
軍の中から大統領候補者が出てくる可能性はどうですか。

【鈴木】
軍最高評議会は、軍から大統領候補者を出さないことを表明しています。
ですので、軍人の大統領候補者が出てくる可能性は低いですが、
軍の息のかかった人物が立候補する可能性はあります。

【岡部】
ここまでは、今回エジプトで起きた政変の背景と、
今後の展開についてお伝えしました。
後半は、この事態が国際社会にどんな影響を与えるのか、
考えてみたいと思います。

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ブリッジ
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【結城】
ムバラク政権の崩壊は、世界に大きな衝撃を与えました。
岡部さん、中でも長年エジプトと緊密な関係を築いてきたアメリカは、
ショックだったようですね。

【岡部】
想定外の悪夢だったと思います。
デモが始まった当初は、極力、楽観的な見方を強調していましたが、
政府の言うことは、二転三転し、その動揺ぶりをさらけ出しました。
ただ、「軍最高評議会」が、対外的な条約や協定は維持すると表明したことで、
当面ほっとしたようです。
さて、鈴木さん、軍の方針をどう見ていますか。

【鈴木】
当面は、ムバラクの外交方針を踏襲するでしょう。
エジプトは、産油国ではなく、
経済は、スエズ運河の通航料、観光、海外からの投資などに依存しており、
国内の治安情勢に影響を受けやすいという特徴があります。
軍は、これまでの外交関係に変更はないことを表明することで、
政変の最中に受けた、経済的打撃を回復しようとしたと思われます。

【岡部】
世界が注目するのは、エジプトが今後イスラム化しないかということですが、
鈴木さんは、その可能性をどうご覧になっていますか。

【鈴木】
短期的には、起こり得ないですが、
中長期的には、じゅうぶんあり得るでしょう。
ムスリム同胞団は、「政権の獲得を目指さない」と言っていますが、
否定はしていません。
選挙を実施したら、基盤と組織票を持っている宗教組織は強いです。
本気で選挙に臨めば、与党になることは時間の問題でしょう。

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【出川】
そもそも、エジプト国民のイスラエルに対する反感はかなり強いです。
たとえば、今から2年前、イスラエル軍が、ガザ地区を大規模攻撃し、
1300人以上が死亡しました。
5年前には、レバノンにも大規模攻撃し、1000人以上が犠牲になりました。
今後、再び、イスラエルによる、そういった事件が起きれば、
エジプト国内で、「イスラエルとの関係を見直せ」
と言った世論が巻き起こるのは確実です。
その時、エジプト政府は、対応に苦慮することになります。
イスラエルとの関係は、これまでも、「冷たい平和」と言われてきましたが、
今後、さらに冷え込んでいくでしょう。
そして、アメリカが、イスラエルを擁護すれば、反米感情も強まるでしょう。

【結城】
岡部さん。
アメリカにとって今回の出来事は想定外の悪夢だったということですが、
なぜ、アメリカは、それほど大きなショックを受けたのですか。

【岡部】
中東問題は、アメリカ外交の最重要テーマと言っていいと思います。
アメリカの中東政策には、3本柱と言われるものがあります。

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▼イスラム過激派による「国際テロを封じ込めること」。
▼中東最大の同盟国である「イスラエルの安全を確保」すること。
▼そして、「原油の安定供給を確保」することです。
そして、これらを二人三脚で支えてきたのがムバラク政権でした。
だから、アメリカは、強権体制は見て見ぬふりで、
巨額の軍事・経済援助を与えてきました。
その一方で、アメリカは、「民主主義のチャンピオン」を自負しています。
民主化勢力が「独裁政権」を倒した今回の政変は、歓迎せざるを得ません。
これはアメリカにとって大きなジレンマです。

【出川】
建国以来、アラブ世界との対立を抱えるイスラエルにとって、
ムバラク氏の突然の失脚は大きなショックでした。
ムバラク前大統領は、これまで平和条約を守り、
パレスチナとの和平交渉の仲介役を務め、
ガザ地区を支配するイスラム組織「ハマス」の封じ込めにも協力してきました。
イスラエルにとって、ムバラク氏にまさるパートナーは望めません。
エジプト軍の最高評議会は、12日、
「エジプト政府がこれまで結んだ国際条約や協定は守る」と表明したため、
ネタニヤフ政権は、当面、平和条約が影響を受けることはないと、
胸をなでおろしていると思います。
しかし、中長期的には、そう安心できないはずです。
反イスラエルの立場をとる「ムスリム同胞団」が議会の多数を握り、
両国の関係を見直そうとする可能性もあると見られるからです。
たとえば、エジプトの新政権が、平和条約を破棄することはないにしても、
イスラム武装組織を取り締まらなくなることは、じゅうぶんありえます。
もうひとつは、イランに対する戦略に影響が出るという懸念です。
ムバラク政権は、核開発を進めるイランに対する封じ込め政策に、
とても積極的でしたが、
これが新しい政権に引き継がれるかどうかは不透明です。
そういう意味で、中東地域のパワー・バランスは変わっていくでしょう。
イスラエルは、気が気でないと思います。

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【結城】
鈴木さん、「ムスリム同胞団」は、
イスラエルとの平和条約は見直すべきだという考えのようですが、
今後、エジプトとイスラエルやアメリカとの関係はどうなるでしょう?

【鈴木】
政変が起こる以前のムスリム同胞団は、
イスラエルとの平和条約は破棄すべきだと主張してきました。
しかし、いざムバラク大統領が辞任すると、少し口調が弱まり、
イスラエルとの関係は議会で決定すべきだと主張し始めました。
ですので、直ちにエジプトとイスラエルの関係が悪化するとは思えませんが、
先程、出川さんもおっしゃっていた通り、
ガザ地区に対してイスラエルが大規模な攻撃を加えた場合など、
イスラエルとの関係が悪化すると同時に、
アメリカとの関係も悪化することになるでしょう。

【岡部】
出川さん、アメリカやイスラエルと敵対しているイランは、
今回の政変に拍手喝采を送っていましたが、
そのイランでも、反政府運動が起きていますね。

【出川】
イラン指導部は、親米のムバラク政権が崩壊したこと。
中東におけるアメリカ、イスラエルの影響力の低下を
歓迎する声明を出しました。
「イスラムの覚醒」という表現を使いました。
しかし、本音では、イラン自身に反政府デモが跳ね返ってくることを
強く警戒しています。
そして、実際、イランでも、改革を求める反政府デモが起きました。
2年前、大統領選挙をきっかけに広がった改革派のデモは、
政権側の厳しい弾圧で、つぶされましたが、
その時、デモに参加した人々によって、大規模なデモが計画され、
今週、首都テヘランなど各地で、数万人規模のデモが行われました。
治安当局との衝突で、少なくとも2人が死亡し、
150人以上が身柄を拘束された模様です。
これに対し、政権側は、きのう(18日)、
反政府デモを非難する大規模な集会を開きました。
また、デモを呼びかけた
ムサビ元首相やカルビ元国会議長を逮捕・訴追する構えも示して、
反政府運動を徹底的に抑え込む構えです。
かつての中国の「天安門事件」のような事態が起きるかも知れません。

【結城】
反政府デモは今、周辺の国々にもどんどん広がっていますね。

【出川】
地図をご覧ください。

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黄色に示した国で、反政府デモが起きています。
そして、今、この時点で、注目されていますのは、
バーレーン、イエメン、リビア、そして、イランです。
王制や共和制など、政治体制の違いはありますが、
いずれの国も、強権・独裁色が極めて強く、
野党の政治活動や報道・言論の自由が著しく制限されています。

【岡部】
鈴木さん、今後の展開をどう見ていますか。

【鈴木】
やはり、軍が大衆に対してどのような対応をするのかが、
今後の展開を決める鍵となるでしょう。

【岡部】
チュニジアの独裁政権崩壊をきっかけに、
周辺諸国で燃え上がった反政府デモの激しさは、
この地域の人々が、どれほど国家から抑えつけられてきたか、
どれほど泣き寝入りをしてきたかを示しています。
政権の安定と、先進国の国益のために、
人々の自由や人権を犠牲にしてきた時代は、
曲がり角に来ているのかも知れません。

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