ここに注目! 「"交通弱者"の事故防止を」2011年09月26日 (月) 

渥美 哲  解説委員

(キャスター)「ここに注目!」です。今月21日から30日まで「秋の全国交通安全運動」が行われています。交通事故の現状と対策について、渥美解説委員に聞きます。

Q:交通事故の現状について、どんな点に注目しますか?

A:二つ、注目したいと思います。
一つは、交通事故で死亡した人のうち高齢者の割合が年ごとに増え、去年初めて全体の半数を超えたということです。
交通事故による死者は、減少傾向が続いていて、去年は4863人。1万6700人を超えていた昭和45年のピーク時の3割以下に減っています。
一方で、65歳以上の高齢者の死者は、若者など他の世代に比べて、あまり減っていません。このため死者の中で高齢者が占める割合が年ごとに増え、去年は50.4%、初めて全体の過半数となりました。
人口に占める高齢者の割合は23%ほどですので、それに比べてかなり高くなっています。

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Q:もう一つの注目点は何でしょうか?

A:交通事故で死亡した人のうち歩行者の割合が、やはり年ごとに増えているという点です。
交通事故による死者を事故の状態別にみてみますと、「自動車乗車中」が減っているのに対して、「歩行中」はあまり減っていません。
去年は、「歩行中」が全体の35.2%を占め、最も多くなっています。

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Q:そうした歩行者や高齢者の事故を減らすには、どうしたらいいのでしょうか?

A:歩行者や高齢者の方々が交通ルールを守ることはもとよりですが、こうした歩行者や高齢者といった、いわゆる「交通弱者」への配慮をさらに徹底していくことが必要だと思います。

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その一つが、歩行者や高齢者を取り巻く道路交通の環境を整備することです。
具体的には、たとえば「歩車分離式信号」という、歩行者と車を分ける信号を整備することが必要です。
これは、この絵のように、横断歩道を渡っている歩行者が交差点を曲がってきた車と交錯して起きる事故を防ぐものです。横断歩道が青信号の時は、車の右折や左折ができないようにして、交差点での歩行者と車の交錯を防ぎます。
日本では信号機のうち、まだ3%足らずしか設置されていません。

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また、生活道路での安全を確保することも必要です。住民が生活するエリアでの車の最高速度を規制したり、幹線道路からの一般車両の流入を防いだりして、歩行者の安全を確保すること。
こうした様々な対策を行って、歩行者や高齢者に配慮した道路交通環境を整備していくことが重要です。

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そして、もう一つ重要なのが、我々、車を運転するドライバーの側が歩行者や高齢者を尊重した運転を心がけることです。
今後、歩行者や高齢者などの「交通弱者」の方も安心して歩ける安全な道路環境づくりをさらに進めていくこと。そして、ドライバーが歩行者や高齢者などを尊重した運転を心がけ、「人優先の交通安全」を徹底していくことが必要だと思います。