ここに注目! 「あす 広島原爆の日」2011年08月05日 (金)

渥美 哲  解説委員

(キャスター)「ここに注目!」です。広島はあす、被爆から66年の「原爆の日」を迎えます。ことし、被爆者の人たちは、これまでとは違った思いで、「原爆の日」を迎えようとしています。渥美解説委員に聞きます。

Q1:「これまでと違う思い」というのはどういうことでしょうか?

A1:ことし、東京電力福島第一原子力発電所の事故が起き、放射線による被害が繰り返されたことに、被爆者の人たちは怒りや悲しみを感じながら、「原爆の日」を迎えようとしているのです。
66年前の8月6日、広島に原子爆弾が投下され、強烈な熱線と爆風、そして放射線によって、その年の末までだけでおよそ14万人が亡くなったと推計されています。その後も、多くの被爆者が、放射線による障害に苦しんできました。
ところが、ことし、福島第一原発の事故が起き、作業員らが放射線で被ばくし、大量の放射性物質が外部に放出されて住民が健康への不安を感じる事態になりました。
広島と長崎の被爆者は、放射線による被害が繰り返されたことに、強い怒りや悲しみを感じているのです。

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Q2:あすの「原爆の日」、具体的にはどんな変化がありますか?

A2:毎年、平和記念式典で広島市長が行う平和宣言に、初めて、エネルギー政策の見直しを求めることが盛り込まれます。
広島市の松井市長は、あす、平和宣言の中で、福島第一原発の事故で原子力発電に対する国民の信頼が失われたことを指摘し、国に、早急にエネルギー政策を見直して具体策を講じるべきだと訴えることにしています。

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また、長崎市の田上市長も、今月9日の「長崎原爆の日」に行う平和宣言で、原子力に代わる安全なエネルギー社会への転換を、初めて求めることにしています。

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Q3:被爆者団体の動きはどうなっていますか?

A3:原発事故を受けて、被爆者団体にも変化が出ています。
たとえば、全国の被爆者で作る日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会は、原子力発電に依存するエネルギー政策は問題があるとして、「脱原発」の姿勢をことし初めて、活動方針に盛り込みました。すべての原発を順次停止し、廃炉にすることなどを国や電力会社に求めています。

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また、広島と長崎の被爆者団体はそれぞれ、平和記念式典に出席する菅総理大臣に対し、エネルギー政策の見直しや転換、原発事故で被ばくした人の援護などを要望することにしています。
広島と長崎の被爆者たちは、核兵器の廃絶という願いとともに、放射線の被害を繰り返してほしくないという願いを、ことし、改めて心に刻んでいるのです。

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菅総理大臣があすの平和記念式典で、エネルギー政策を白紙から見直し、原発に依存しない社会をめざす考えを表明することについて、こうしたことを求めてきた被爆者団体などは、その実現を望んでいます。