ここに注目! 「チュニジア政変 広がる影響」2011年01月24日 (月)

出川 展恒  解説委員

【鈴木奈穂子 キャスター】
「ここに注目!」です。
市民の抗議行動によって、独裁的な政権が崩壊したチュニジアでは、
その後も混乱が続き、ほかのアラブ諸国にも影響が広がっています。
出川解説委員です。

Q1:
チュニジアの政治の混乱、収まらないようですね。

【出川展恒 解説委員】
A1:
はい。野党勢力も参加して、暫定政権が発足しましたが、
市民の抗議行動は続いています。

ベンアリ前大統領を支えた閣僚たちが
暫定政権にとどまっているためです。

ガンヌーシ首相は、6か月以内に大統領選挙と議会選挙を行い、
自らは立候補せず、政界から引退すると表明しましたが、
市民は納得せず、前の政権の影響力を取り除くよう求めています。
混乱は長びく可能性もあります。

【鈴木】
Q2:
ほかのアラブ諸国にも影響が広がっているのですね。

【出川】
A2:
はい。今回のチュニジアの政変は、
失業中の青年の焼身自殺がきっかけでした。

その後、エジプトやアルジェリアでも
物価の高騰や失業に抗議して、焼身自殺する人が相次いでいます。

また、アルジェリアでは、
民主化を求める市民が、非常事態宣言を無視してデモを行い、
警官隊と衝突しました。

イエメンでも、学生や市民が、
32年間政権を握ってきたサレハ大統領の退陣を求めるデモを行いました。
この国では初めてのことです。

さらに、ヨルダンやスーダンなど
抗議行動は、アラブ各国に飛び火しています。

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【鈴木】
Q3:
どうして、これほど広がったのでしょうか。

【出川】
A3:
アラブ世界では、チュニジアと同様、独裁的な政権が長く続き、
汚職、失業、貧困などの問題を抱えている国が多いのです。

これまでは、政権側の厳しい取り締まりで、抑え込まれてきましたが、
今回、インターネットやツイッターの力を借りて、
市民の抗議行動が一気に広がり、政権が倒れました。
アラブでは未曾有の出来事です。

衛星テレビでニュースを見た各国の民衆は、
「われわれにもできる」と勇気づけられたようです。

【鈴木】
Q4:
各国の政権の側は、どう見ていますか。

【出川】
A4:
自分の国でも同じことが起きるのではないかと、戦々恐々としています。
先週、アラブ各国の首脳が緊急に集まり、
失業対策などに連携して取り組むことを申し合わせましたが、
抗議のうねりは収まりそうにありません。

エジプトでは、あす(25日)、インターネットの呼びかけで、
29年におよぶムバラク大統領の長期政権に抗議するデモが計画されています。
もし、政権側がこれを武力で抑え込めば、大きな衝突になる恐れもあります。

国ごとに事情は異なりますので、
ドミノのように政権が倒れることは、まず起きないと思いますが、
当面、アラブ世界から目が離せません。

【鈴木】
出川解説委員でした。