ここに注目! 「図書館にも電子書籍を」2010年12月02日 (木)

西川 龍一  解説委員

ここに注目!です。ことしは電子書籍元年と言われています。この電子書籍は図書館で扱えるのかという議論が、2日から始まります。西川解説委員です。

Q.この議論の注目点は、どういったところになりますか?

A.著作権がキーワードになります。公共図書館で電子書籍をどう扱うべきか、作家や出版社、図書館の関係者がそれぞれの立場から議論します。著作権を扱う文化庁が2日から会議を開きます。電子書籍を読むためのさまざまな端末が出そろって、購入して楽しんでいる方も多いと思います。そうした中で、公共図書館も紙の本だけではなく、電子書籍を扱わざるを得ない状況がすぐそこまで来ているんです。

Q.図書館であれば電子書籍も従来の本と同じように扱えるのではないのですか?

A.紙の本の閲覧や貸し出しなどは、無料であれば著作権法上の権利は発生しません。しかし、電子書籍は必ずしもそうとは言い切れない部分があります。
たとえば紙の本は、10冊あれば10人しか同時に閲覧できませんが、電子書籍は、1冊分あれば技術的には同時に、複数の端末で読むことも可能です。もうひとつは、貸し出しです。実は、東京の都立中央図書館が今、電子書籍の貸し出し実験を行っています。事前に登録した人が図書館が用意したおよそ1000冊の電子書籍を自宅のパソコンを使ってインターネット経由でいつでも自由に借りることができるというものです。図書館に出掛ける必要もなく、休館日も関係ありません。こういうことができるのが、電子書籍の特徴でもあるわけですが、ネット経由で貸し出すとなると、公衆送信権という著作権法上の権利を侵すことになります。都立中央図書館は、個別に著者や出版社と交渉して認めてもらったり、著作権の切れたものを利用したりしています。こうした権利をどう処理すればいいのかが大きな問題です。

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Q.何が必要になりますか?

A.やはり権利処理についてのルール作りです。作家などの権利者にとっては、著作権を侵害されるようなことがあっては生活がかかる話になります。図書館にとっても電子書籍を扱えないとなると、利用者のニーズに応えられないということになりかねません。権利をクリアにして利用者の利便性を図るための議論を早急に進めて欲しいと思います。