オウム真理教による地下鉄サリン事件からきょう・20日で28年になります。
オウムから名前を変えた教団「アレフ」に対して、3月、教団施設を6か月間一部使用禁止にするなど、初めてとなる「再発防止処分」が決まりました。
28年になる今、何が起きているのでしょうか。
Q:イラストは被害者や地下鉄職員による追悼ですね。
A:28年前のきょう、午前8時頃、都内を走る3つの路線に猛毒のサリンがまかれ、14人が死亡、およそ6300人が被害にあいました。
毎年この日は地下鉄・霞ケ関駅に献花台が設けられます。まもなく午前8時です。この後、追悼の式典も行われます。
Q:教団は今どうなっているのでしょうか。
A:教団「アレフ」は、3か月ごとに義務付けられた活動報告のうち、資産などの報告が十分行われていないとして、今月、公安審査委員会が初となる処分を決めました。
教団施設の一部の使用や寄付を受けることを6か月間禁止する「再発防止処分」です。
Q:被害者も怒っています。
A:先週金曜日・17日に地下鉄サリン事件で夫を亡くした高橋シズヱさんや、父親を拉致事件で亡くした假谷実さんらが法務大臣などに要望書を提出しました。
この中で被害者の方々は、「アレフ」が3年前の裁判で確定した10億円を超える賠償金を被害者へ支払っていないとして、国への協力を求めています。
一方で4年前は12億円あまりだった教団の資産が、去年秋には2000万円と大幅に減少しているということです。公安調査庁は「支払いから逃れるための『資産隠し』のおそれがある」とみています。
Q:被害者にとっては許せないですね。
A:17日の会見で、事件で夫を亡くした高橋シズヱさんは「恐ろしさと憤りを感じる」と話しています。また、假谷実さんは「被害者の中には表に出ることができない人や、今もサリンの後遺症に苦しんでいる人たちがいる。逃げ得は許されない」と話しています。
一方でアレフは今回の処分をめぐって国に裁判を起こしています。
高齢化する被害者や遺族にとってやりきれない思いが募ります。教団をめぐる問題はまだまだ終わっていません。今後も被害者などへ継続的な支援が求められます。
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