国会への欠席を続けるNHK党のガーシー参議院議員は、日本に帰国しないことを明らかにしました。
Q)8日の参議院本会議で予定されていた陳謝にも応じないのですね?
A)そうですね。今回の「議場での陳謝」には、こうした事態をにらんだ3つの仕掛けがあったと思います。
1つ目はガーシー議員が国会に出席して陳謝に応じるか。2つ目は参議院の決めた陳謝文をそのまま読み上げるか。3つ目が陳謝した後も日本に留まり国会に出席し続けるかです。これを全部クリアできなければ、さらに重い処分を科すというものです。ガーシー議員は最初の段階すらクリアできなかったことになります。
トルコ南部で発生した大地震の被災地を訪れているようですが、こうしたことは十分承知だったとみられ、「帰国すれば不当な拘束を受ける」などと発言していたことからも警察の動きが今回の判断に影響しているのかもしれません。
Q)今後、どうなるのですか?
A)参議院では改めて懲罰委員会を開いてガーシー議員に対する新たな処分を検討することになります。与野党からは最も重い「除名」にすべきだという声が高まっています。
一方、国会では議員特権を見直そうとする動きも出ています。
Q)どういうことですか?
A)立憲民主党と日本維新の会が、正当な理由がないまま長期間、国会に登院せずに懲罰処分となった議員の歳費を4割減額する法案を国会に提出したのです。念頭にあるのは、ガーシー議員がこれまでに歳費や期末手当など1800万円余りを受け取っていることへの批判です。ガーシー議員は、全額を党に預ける考えを示していますし、海外にいても議員活動ができると主張しています。ただ、国会に出席して様々な課題を論じ合い、予算案や法案の採決に加わるといった議員の重要な責務は果たせていません。
今回の事態は、議員が国会に出席することの意味から国会のルールのあり方まで様々な課題を浮き彫りにしました。新たな処分の内容を含め各党の今後の対応が問われることになります。
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