中国で重要政策を決める全人代=全国人民代表大会が5日から北京で開かれます。
年に1度開かれる全人代のことしのポイントについて解説します。
Q、イラストでは習近平国家主席が勝ち誇った様子ですが。
A、はい。中国では、およそ3年続いた「ゼロコロナ」政策の終了にともない感染が一時、急拡大しましたが、その後、多くの地域ではピークを越え、習指導部は先月開いた会議で「決定的な勝利を収めた」と勝利宣言をしました。
この「ゼロコロナ」政策終了後、初めてとなることしの全人代では、習指導部が、厳しい行動制限などで打撃を受けた経済の立て直しに向けて、どのような方針を示すのか注目されます。
さらに、もう1つの注目点が人事です。
Q、どのような人事ですか?
A、今回は政府の主要ポストなどの人事が行われます。
中でも注目は、引退する李克強首相に代わる新しい首相です。
就任が確実視されているのが、習主席に次ぐ党ナンバー2で、前の上海市トップの李強氏です。
Q、習主席の後ろにいる人ですね。どんな人ですか?
A、習主席が沿海部の浙江省でトップを務めていた時の秘書で、習主席に忠実な側近中の側近として知られています。
地方の一官僚からここまで昇進したのも、習主席の引き立てがあったからこそといえます。しかし、首相としての手腕は未知数だとみられています。
Q、といいますと。
A、首相は、世界2位の中国経済の舵取りという重要な役割がありますが、李強氏は中央政府での実務経験がほとんどないだけに、中国の巨大な政府機構を統率できるのか疑問視されているんです。
さらに海外メディアなどからは、習主席との距離の近さから「イエスマン」とも例えられていて、「ゼロコロナ」のような極端な政策のマイナス面について、習主席に「物申す」ことができるかどうかも問われます。
全人代の最終日は、通常ですと、首相による記者会見が行われます。
ウクライナや台湾をめぐる情勢、それに米中関係など難題が山積する中、中国の新しい首相が何を語るのか、世界の関心が集まっています。
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