来年のアメリカ大統領選挙に向けた共和党の候補者選びで、トランプ政権で国連大使を務めたニッキー・ヘイリー氏が、14日、自らのツイッターへの投稿で立候補を表明しました。
髙橋解説委員とお伝えします。
Q1.
けさのイラストは、飛び板からプールに飛び込むヘイリー氏?
A1.
「新しい世代の出番だ」そう政権奪還に向けて意欲を語るニッキー・ヘイリー氏(51)。インドからの移民を両親に、保守的な南部サウスカロライナ州で女性として初めて知事を務め、閣僚級の国連大使にも抜擢された経歴は、いまの共和党内では“異色の存在”です。
トランプ氏とは“つかず離れず”の関係を保ち、「トランプ氏が次の大統領選挙に再び立候補するなら自分は立候補しない」と発言したこともありました。今回の立候補表明は、そうした前言を翻し、“かつてのボス”に挑戦するかたちです。立候補を表明したビデオの中では、共和党の結束を呼びかける一方で、トランプ氏への直接の言及はありませんでした。
Q2.
ヘイリー氏はトランプ氏に勝てますか?
A2.
まだ何とも言えません。トランプ氏は、去年の中間選挙で応援した候補が相次いで落選し、共和党内で求心力にやや陰りがみられます。しかし、各種の世論調査で、ヘイリー氏は、トランプ氏やフロリダ州のデサンティス知事らに支持率で大きくリードされています。
ただ、トランプ氏に続く2人目の立候補表明で、スポットライトを浴びることで、選挙資金集めも加速しそうです。ヘイリー氏の動向は、再選に意欲を見せる民主党のバイデン大統領にも、脅威になるかも知れません。
Q3.
どうしてですか?
A3.
ヘイリー氏が「世代交代」を訴えているからです。しかも、保守的な政策目標は、トランプ氏とほぼ同じでも、人種問題では一線を画します。州知事時代には、白人至上主義者による銃の乱射事件で多くの黒人が犠牲になったことに涙を流し、差別の象徴と言われた“南軍旗”を州庁舎から撤去したこともありました。実は、彼女は選挙に負けたことがありません。これまで中高年の白人男性に偏りがちだった共和党の支持のすそ野を女性やマイノリティー、若者にも広げたいとしています。ヘイリー氏は、共和党に新しい風を吹かせるか?15日に地元サウスカロライナ州チャールストンで予定されている決起集会に注目が集まります。
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