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どうなる?上院ジョージア決選投票

髙橋 祐介  解説委員

アメリカ中間選挙で最後まで決着を持ち越した上院1議席を争う決選投票が、6日、南部ジョージア州で行われます。髙橋解説委員とお伝えします。

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Q1.
けさのイラストは、何を競っているのですか?
A1.
「ピーチ・ステート」と呼ばれるジョージア特産の桃は、どちらの口におさまるか?かつて“保守の牙城”と言われたジョージア州は、近年はアトランタ周辺で人口が急増して、全米でも有数の激戦州になっています。
先月の中間選挙で、与党・民主党の現職、ウォーノック候補は僅差でリードしましたが、当選に必要な過半数には届きませんでした。このため、決選投票では、黒人有権者に絶大な影響力を持つオバマ元大統領に支えられ、無党派層にも改めて支持を呼びかけます。
一方、野党・共和党の新人でアメリカンフットボールの元スター選手、ウォーカー候補は、これまでとは主な担ぎ手が代わっています。

Q2.
ウォーカー候補を肩車しているのは誰ですか?
A2.
地元ジョージア州で再選を果たしたばかりの共和党のケンプ知事です。ケンプ知事は、「大統領選挙に不正があった」としたトランプ前大統領の根拠のない主張は受け入れず、トランプ氏とは“犬猿の仲”。ウォーカー候補は、トランプ氏から支持を受けて共和党の予備選挙を勝ち抜きましたが、本選挙では、過激な主張やスキャンダルで無党派層からの支持が伸び悩みました。そこで、今度の決選投票は、いわば“トランプ隠し”によって、逆転勝利をねらいます。

Q3.
決選投票はどうなりそう?
A3.
やはり無党派層の動向が鍵を握るでしょう。有権者の関心は高く、期日前投票は、各地で過去最多の記録を更新しています。どちらが勝っても、トランプ前大統領は、求心力の陰りを露呈しそうです。
先月の中間選挙で、民主党は下院で多数派を失いましたが、上院は同数を確保していて、ギリギリ多数派です。このため、残るジョージアの1議席の行方は、今後のバイデン大統領の政権運営の安定度を大きく左右するでしょう。


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