東京都労働委員会が先週、ウーバーイーツに対し、
配達員の組合との団体交渉に応じるよう命令を出した問題についてです。
竹田忠解説委員に聞きます。
Qこの問題、ポイントはどこなんでしょう?
A
一言でいいますと、
プラットフォームワーカー(ギグワーカーとも呼ばれます)として働く人を
労働組合法上の労働者と位置づける判断が日本で初めて示された。
Qそのプラットフォームワーカーというのは?
A
どういうことかと言いますと、
そもそもの発端は、配達員の組合がケガの補償問題などをめぐって
会社側と団体交渉しようとしたら断られた。
断った理由として会社側が労働委員会に説明したのが
「我々はプラットフォーマー」だから、というんですね。
Qどういう意味なんでしょう?
A
ウーバーイーツは何を提供しているのか?
客はアプリを使って料理の注文をし、
店もやはりアプリを使ってその注文を受け、
配達員はアプリを使って配達の仕事を受けて料理を届ける、というように
アプリを通していろんな人が取引をする場、
つまりプラットフォームを提供しているのであって、
配達員はそのアプリの利用者であって
労働者とは言えない、というのがそもそもの主張なんです。
これに対し、東京都労働委員会は
配達員はウーバーイーツの事業にとって不可欠な労働力であって、
労働組合法上の労働者にあたる。
なので、団交拒否は不当労働行為にあたるとして
団交に応じるよう命じたわけです。
Q今後、どうなるんですか?
A
会社側は不服だとして、再審査の申し立てを含めて検討する、と話してます。
こうしたプラットフォームを使った働き方は
コロナの影響もあって増えてるんですが、
働く時間や場所が選べて自由な反面、
不安定で、社会保障などのセーフティネットも薄いということで
欧米では労働者と同じような保護をする、という動きが出てきています。
実は日本でも、フリーランスを守るための新たな法案を準備中でして、
こうした新しい働き方をどう位置付け、どう保護していくのか、
ぜひハッキリ示してほしいと思います。
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