3年前に火災で焼失した沖縄県の首里城。来週、中心の建物である正殿の起工式が行われ再建に向けた工事が本格化します。
Q)国と沖縄県で再建を進めていくのですね?
A)首里城の中心部は国営公園で、所有者である国が再建の主体となります。
正殿は来月3日の起工式の後に着工し4年後の完成を目指します。ただ再建には沖縄県も深く関わっていきます。
Q)どのように関わるのですか?
A)再建に役立ててほしいと県には55億円あまりの寄付金が寄せられました。県はその思いを見える形で残したいと、国に収めるのではなく一部を使って象徴的な部分を制作して引き渡すことにしたのです。6万枚に及ぶ瓦や玉座に掲げる額などです。万が一設計などで食い違いがあってはいけないと県は国と綿密にやり取りしながら進めるとしています。
Q)協力して再建が進んでいくのですね。
A)両者は来場者を増やす取り組みでも連携します。国は工事を見学できるエリアを整備し、県は起工式にあわせて琉球王国時代の儀式を再現するイベントなどを開催します。コロナ禍で主要産業の観光業が落ち込む中、再建の途中であっても貴重な観光資源となれるかは課題です。
そして何にも増して重要な再発防止の点でもこの連携は必要になります。
Q)再び火災を起こさないということですね?
A)結局、火災の原因は明確になっていませんが、国は再発防止のためスプリンクラーなど火災前にはなかった防火設備を設置します。ただそれを実際に管理していくのは県になる予定です。これは3年前から県が国から管理を請け負っているためです。正殿の総工費はおよそ120億円。
沖縄県民の心のよりどころとも言われる首里城を失うことは二度と許されず、両者ががっちりと手を携えることが求められます。
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