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日本人初優勝なるか ショパンコンクール

出石 直  解説委員

ポーランドの首都ワルシャワで行われている「ショパンコンクール」で2人の日本人ピアニストが最終選考に臨んでいて、日本人初の優勝に期待が寄せられています。
出石 直(いでいし・ただし)解説委員です。

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Q1、ショパンコンクールは世界を目指す若手ピアニストの登竜門、憧れの舞台ですね。

A1、はい、その最終選考に残っているのが、こちら反田恭平(そりた・きょうへい)さん(27)、と小林愛実(こばやし・あいみ)さん(26)の2人です。反田さんは4年前からショパンの本場ポーランドに留学しコンクールに備えてきました。小林さんは前回のショパンコンクールにも出場し日本人でただひとり最終選考に残った実力者です。お2人ともすでに国内外で活躍していて高い評価を受けています。
そんなピアニストにとってもショパンコンクールは特別の存在です。
このコンクールは5年に一度しか開かれません。今回は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で一年延期され6年ぶりの開催です。コンクールで弾くのはショパンの曲だけ、しかも16歳から30歳までという年齢制限もあります。

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Q2、若い時にしか挑戦できないのですね。

A2、その通りです。今回は世界中から500人以上の腕自慢が応募し、厳しい予選を勝ち抜いた反田さん、小林さんら12人が最終選考に臨み、頂点を目指しています。実はこのショパンコンクール、残念ながら日本人の優勝者はまだひとりも出ていません。反田さんと小林さんに日本人初の優勝の期待がかけられているのです。

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Q3、期待したいですね。優勝者はどうやって決まるのですか?

A3、最終選考では、審査員と聴衆の前でオーケストラと一緒にショパンの協奏曲を演奏します。音楽コンクールの審査は、よくフィギュアスケートの審査に例えられます。難しい曲をミスなく弾ききる高い技術、それに加えて審査員や聴衆を魅了する音楽性と個性が求められます。最終選考は日本時間のあす(21日)未明に終わり、あすのこの時間頃にはうれしいニュースが伝えられるかも知れません。

(出石 直 解説委員)


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