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『安倍後継』どう決める?誰が立つ?

曽我 英弘  解説委員

安倍総理大臣の辞任表明を受けて、自民党内では次の総裁選びに向けた動きが活発になっている。

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Q)安倍総理の後継の自民党総裁はいつ決まるのか。

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A)日程、決め方ともに二階幹事長に一任されていて、あす1日にもはっきりするものとみられる。その二階さんは先週、「時間の問題もある」と述べていて、9月中旬には新総裁が決まる見通しだ。そして決め方だが、今回は全国一斉の党員による投票は行わず、両院議員総会で国会議員らが決める方向で調整が進んでいるが、党内から異論も出ている。

Q)どうしてか。

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A)来年10月までには衆議院選挙が必ずあり、新しい総裁のもとで選挙が行われる可能性も否定できない。にもかかわらず「選挙の顔」を選ぶにあたって、全国の党員の意向が必ずしも十分反映されないまま決めて果たして良いのかという懸念があるからだ。ただ今は「コロナ禍」という事情もあり、執行部は党員投票の準備に時間をかけることなく速やかに決めたい考えだ。

Q)さまざまな議員の名前が挙がっているようだが。

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A)なかでも軸となるのはこの3人だろう。
当選回数順に▽石破茂元幹事長(11回)は過去の総裁選挙で党員票がトップに立ったこともあるほか、世論の支持も高いとされる。
▽岸田文雄政務調査会長(9回)は前回立候補を見送っただけに、今回は不退転の決意とみられ、安倍総理に一貫して主要なポストに起用され信頼も厚かった。
▽菅義偉官房長官(8回)は、内閣の番頭役を務めたことで政権の継続性に期待する声が出ていて、二階幹事長も「立派な指導者」などと高く評価している。
総理大臣を事実上決める自民党総裁選挙に現職が立候補せず、「新人」だけで争われるのは2008年以来、実に12年ぶりだ。今回は7年8か月の長きにわたった「1強」に代わる新たなリーダーを短期間で選ばなければならないという難しさもある。
安定政権が今後も続くのか。過去の長期政権の後に起きた混乱が再び繰り返されることはないのか。今後の政治の流れを左右する総裁選挙となりそうだ。

(曽我 英弘 解説委員)


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