「プラごみ一括回収へ」(ここに注目!)
2020年08月03日 (月)
土屋 敏之 解説委員
◆プラスチックごみの削減に向け先月からレジ袋有料化が義務化されたが、今後は家庭のプラごみの出し方も変わるかも
現在、家庭のプラごみで法律上、自治体が分別回収することになっているのは、ペットボトルやプラスチック製容器包装と言われるものに限られています。それ以外のプラ製品、例えば文房具やおもちゃ、植木鉢などは、自治体によって「燃えるごみ」「燃えないごみ」「資源ごみ」と扱いがまちまちで、引っ越した時にルールが違って戸惑った方も多いのではないでしょうか。
これを今後、プラ資源 として一括回収しようという方向性が、7月下旬、環境省と経済産業省の合同会議で示されました。
◆今なぜこうした動きが?
世界的に海洋プラスチック問題が深刻化していますし、一方でプラごみは燃やせば二酸化炭素を出して地球温暖化につながりますから、いかにプラごみを減らして、資源として循環させるかが大きな課題です。去年、日本も「2035年までに使用済みプラの100%有効利用をめざす」などの方針をまとめています。
これまで試験的に、横浜や大阪など7都市で一括回収を行ったところ、プラ資源の回収量が35%増えた他、アンケートに答えた市民の大半が、一括回収の方が分別しやすいとして、この方式を支持したそうです。
◆今後はどうなる?
家庭ごみ以上に量が多い事業所から出るプラごみをどうするのかは、具体的な議論はこれからとも言えます。
また新型コロナ対策で、持ち帰り食品の容器など使い捨てプラの需要はむしろ増えている面もあります。
こうした中で、方向性自体はひと月程でまとまりそうですが、実現に向けては法改正なども必要で、それは来年度以降、まだ時間がかかりそうです。
どういう方法なら市民にわかりやすく、かつ環境と感染症対策などを両立できる制度になるのか?議論を深めて欲しいと思います。
(土屋 敏之 解説委員)