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「水害ハザードマップ 不動産取引の説明義務化」(ここに注目!)

土屋 敏之  解説委員

◆国は今月、不動産取引の際に「水害ハザードマップ」に関する説明を不動産業者に義務付ける改正を行った

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 部屋を借りたり土地を買うなど新たな不動産取引の際、「重要事項説明」と言って、不動産業者が契約相手にあらかじめ説明するよう義務付けられている項目があります。その項目に、水害のリスクや避難所の情報などを市町村がまとめたハザードマップでその物件がどういう所にあるかなどを説明する義務が、追加されることになりました。
 実は、土砂災害や津波の警戒区域にある物件は以前から説明義務がありましたが、洪水や高潮などの水害リスクはこれまで対象になっていなかったんです。

◆近年、大規模な水害が相次いでいるが?

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 2017年の九州北部豪雨やおととしの西日本豪雨など、大規模な水害が近年頻発していることが今回の改正の背景にあります。
 しかも今後は地球温暖化でさらに水害の激甚化が予想されますし、一方で浸水のリスクがあるエリアで宅地開発が進み、そこに住む人口は増え続けているとされる状況もあります。
 今月の豪雨で14人が犠牲になった熊本県球磨村の特別養護老人ホームをはじめ、球磨川流域で浸水した場所の多くが浸水想定区域にありました。
 住む場所のリスクを知っておいてもらうことは命を守るために重要ですから、今回ようやく説明が義務づけられるとも言えます。

◆いつからこうした水害のリスクの説明が行われる?

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 8月28日に施行されるので、それ以降に重要事項説明をするケースが対象です。ただ、これはあくまで新たな不動産取引が対象ですから、今既に住んでいる所のリスクについては誰かが説明してくれるわけではありません。
 ですから、まだ自宅周辺のハザードマップを見たことがない、といった方は、ぜひ自治体が出しているハザードマップを見て、避難所や避難経路なども確認しておいていただきたいと思います。

(土屋 敏之 解説委員)

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