NHK 解説委員室

解説アーカイブス これまでの解説記事

「『3密』解消の切り札? 『時間帯別運賃』とは」(ここに注目!)

竹田 忠  解説委員

コロナショックは鉄道運賃のありかたも変えてしまうかもしれません。
JR東日本が時間帯別運賃を検討する考えを表明し、波紋を広げています。
竹田忠解説委員に聞きます。

C200720_0.jpg

Q①時間帯別運賃というのは、聞きなれない言葉なんですけど、
文字通り、運賃が時間によって変わるということなんですか?


はい、まさにそういうことなんです。
これは、JR東日本の深澤社長が会見で述べた話しなんです。
コロナショックの影響で、JR東日本では利用客が減って
先月(6月)の鉄道営業収入が前年同月比の6割に落ち込んだ。
これについて社長は、影響が長びくおそれがあって、
運賃見直しの検討を始めたと表明し、
その例として時間帯別運賃の検討をあげたわけです。

Q②それは具体的にはどういうものなんですか?

C200720_3.jpg


はい、実は詳しいことはまだ出てないんですが、
会見では「混雑のピークをずらすような柔軟な運賃が考えられる」と話してます。
そうするとたとえば、
現在は、朝夕の通勤ラッシュ時も、昼間も、距離が同じなら、運賃も同じですが、
これが、朝夕は、相対的に高く
昼間は逆に相対的に安くなる、ということが考えられる。

C200720_4.jpg

ちなみにこうした仕組みで、有名なのがロンドンで、
たとえば地下鉄では、ピーク時は運賃が相対的に高く、
オフピーク時は逆に相対的に安くなってるんです。
そうやって運賃の高いラッシュ時を避けてもらえば、
混雑の緩和が期待されると。

Q③そうすれば、満員電車のいわゆる“3密状態”も、
少しは緩和されることになるんでしょうか?

C200720_6.jpg


多くの人にとって、そこが一番気になる所だと思うんですが、
ただ、これもし導入するとなると、
運賃体系を大きく変えることになるので、
役所との調整も必要になって、
目の前の三密問題に間に合うかどうかは不透明です。

また、もし導入したとしても
通勤時間をずらせない人は不利になるかもしれないし、
それから通勤や通学などの定期は、一体どうなるのか?

もう鉄道利用者にとっては、気になる話しがいっぱいですので、
ぜひ論点や検討状況を早めに明らかにして
オープンな議論をしてほしいと思います。

(竹田 忠 解説委員)

キーワード

関連記事