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「ハザードマップ 『空白地帯』に要注意」(ここに注目!)

松本 浩司  解説委員

今回の豪雨では川の氾濫で大きな被害が出ましたが、川の氾濫のハザードマップには“空白地帯”があるということです。

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Q)空白地帯とはどういうことか。

A)
ハザードマップには川が氾濫したときに浸水の危険のある範囲が色で示されていますが、何も示されていない“空白”になっている川があるのです。

ハザードマップは市町村が作ります。前提となる浸水想定区域の調査と指定は、川を管理している国や都道府県が行います。
指定は全国の大きな川から進められてきて2100ある大河川と主な河川ではほぼ終わりマップに反映されています。しかし都道府県が管理する19000ある中小の河川はまだ一部しか指定されておらず、空白になっているのです。
去年の台風19号では決壊した67河川のうち43は中小河川でした。

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Q)数が多くてたいへんなのでしょうけれども早く進めてほしいですね。

A)
浸水範囲を推定するためには測量や水位データの分析など時間と費用がとてもかかります。そこで国は中小河川向けに、比較的簡素な方法で推定する手引きを先月まとめました。
航空機からレーザー光を使って測量をする新しい技術などを取り入れ、精度は多少下がりますが早く判定する方法が示されています。
8つの道と県では、すでにこうした手法を使って必要な中小河川の指定を終えていて、ほかの都府県でも指定を急ぐ必要があります。

Q)住民はどうしたらよいのですか。

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A)
ハザードマップを見るときに「空白地帯」もあることに注意が必要です。
山間部などの中小河川で、危険のある範囲が何も書かれていなくても、指定作業がまだ
行われていないだけでリスクがないわけではありません。市町村に確認をしてください。
そして川の近くに住んでいる人は、リスクがあると考え、避難先や避難路を確認しておく必要があります。

(松本 浩司 解説委員)

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