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「熱中症警戒アラート 『災害』として対応を」(ここに注目!)

松本 浩司  解説委員

熱中症への警戒を呼びかける新しい情報の運用が、あすから一部の地域で始まります。

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Q)新しい情報はどういうものなのですか?

A)「熱中症警戒アラート」という情報です。熱中症による死者はおととしは1600人近く、去年も1200人にのぼっていて、これをなんとか減らそうと設けられるものです。
現在、気象庁が「高温注意情報」を、環境省の「暑さ指数」を発表していますが、これらをあわせ熱中症の危険性がきわめて高くなると予想されたときに発表されます。
来年の本格運用を前に、あすから関東甲信の9都県で試験運用が始まります。

Q)危険性がきわめて高いというのは具体的にはどれくらい?

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A)熱中症の発生は気温だけでなく湿度、輻射熱などが大きく影響しますが、それらを反映した「暑さ指数」が33を超えると予想されたときに発表されます。
暑さ指数の指針では31を超えると「危険」とされ外出は自粛、スポーツは原則中止なので、さらに危機的な状況で「最大級の警戒」が必要な情報と言えます。

それだけに情報が出たときにどういう対応を取るのかが大きな課題になる。
進んだ取り組みとして、埼玉県熊谷市は「暑さ指数」を市内全域で計測し、基準を超えたら市民や各施設にあらゆる手段で伝達し、学校では部活は中止し、下校も待機するなど、指数と行動をセットにした対策を実践しています。
国の検討会はこうした取り組みも参考に、新たなアラートが出たときの「最大級の警戒態勢」を自治体や学校、医療や福祉施設さらに作業現場などでそれぞれ検討してほしいとしています。

Q)命に係わることだけに情報に敏感にならなければいけませんね。

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A)猛暑をもはや「災害」と考え「暑さ指数」やアラートをもとにまず身を守る行動をとる必要があります。そのうえで、まわりのお年寄りにも声をかけるなど命を守る取り組みの輪を広げることが大切になります。

(松本 浩司 解説委員)

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