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「緊急時のマスク不足 どう備えるか」(ここに注目!)

櫻井 玲子  解説委員

新型コロナウィルスの感染拡大の影響で問題となったマスク不足ですが、第2波のおそれもある中、十分に供給を確保できるかが課題となっています。
櫻井解説委員です。

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Q 櫻井さん、手に入りにくかったマスクも、以前にくらべれば、店先などで見かけるようになりましたよね。

A そうですね。海外からの輸入の再開、国内メーカーの増産、それに政府の要請に応じたほかの業種からの新規参入もあり、一時期にくらべて、状況は改善しています。国内で出回っているマスクの数は、2月には月におよそ4億枚だったのが、先月時点で8億枚に増えた、とみられています。
ただ、日本はマスクの7割以上を、これまで、中国からの輸入に頼ってきました。
今後、輸入が再び止まったときなども想定し、必要な量を国内で確保するための、備えができるかが焦点です。

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Q 国内でマスクの生産を始めた企業は、今後も続けていくのでしょうか?

A はい。いくつかの企業にお話を伺ったところ、「やめる計画は今のところない」とか、「長期的な事業だと、とらえている」といった声が聞かれました。
といいますのも、消費者からは、日本製のマスクを買いたいという声が寄せられていること。各地の自治体から在庫を補充したいという問い合わせが相次いでいること。そして社会貢献の点からも、国内生産を続けていきたいという会社が、今のところは、多いんです。
ではこれで安心できるのか?というと、課題もあるんです。

Q どんな課題ですか?

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A まずは、採算性の問題です。緊急時にはマスクの材料が、世界的な争奪戦の対象となり、材料の不足や値上がりで、商品を作れなかったり、コストがかかりすぎたりする。逆に、需要が落ち着くと、商品がダブついて価格が下がり、これまた、採算が、とれなくなる恐れがある。材料の調達や商品価格をどう安定させるか、政府も、企業も、知恵を絞ることが求められています。
また、国内の生産体制のさらなる強化も重要です。
特に、医療用のマスクは、厳しい基準があるため、急な増産が難しく、生産拠点を増やす必要があります。
今のうちに、できることは何かを考え、対策をすすめるべきだと思います。

(櫻井 玲子 解説委員)

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