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「トランプ大統領 どしゃ降りの6月!?」(ここに注目!)

髙橋 祐介  解説委員

アメリカのトランプ大統領は、23日、民主党のバイデン前副大統領との激戦州のひとつ、西部アリゾナ州を遊説しています。髙橋解説委員です。

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Q1)
けさのイラストは、トランプ大統領にどしゃ降りの雨?
A1)
悪いことが重なって起きることを英語の表現で「雨が降ればどしゃ降り(When it rains, it pours.)」と言いますが、今の大統領が置かれた窮地は、まるでバケツをひっくり返したような(Cats & Dogs)どしゃ降りです。
新型コロナウイルスの感染は収まらず、失業問題も依然深刻、人種問題をめぐる軋轢にとどまらず、元側近のボルトン前大統領補佐官には暴露本の出版で冷や水まで浴びせかけられました。
各種の世論調査の平均値で民主党バイデン氏に9ポイントあまり水をあけられています。今月74歳の誕生日を迎えたトランプ大統領にとって、6月はその意に反して“最悪の月”になりそうです。

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Q2)
トランプ大統領が形勢を挽回することは可能?
A2)
「選挙は水もの」とも言いますが、前回4年前の選挙でトランプ氏は、当時の民主党クリントン候補に6月の時点で10ポイント以上リードされたこともありましたから、まだ挽回は十分可能でしょう。ただ、大統領にとって厳しいのは、前回競り勝った激戦州のほとんどで、今回は苦戦を強いられていることです。いわゆる“ラストベルト”と呼ばれる激戦州は失業率が高止まり。一方、西部アリゾナや南部フロリダなど“サンベルト”と呼ばれる激戦州では、このところ新型コロナウイルスの感染者が急増しています。経済活動の再開と感染防止対策で、再選キャンペーンもジレンマを抱えています。

Q3)
では民主党のバイデン氏がこのまま優勢に選挙戦を進めていく?
A3)
バイデン氏にも課題は山積しています。77歳の高齢や失言癖が心配されているのに加えて、選挙公約もまだ明らかにしていません。これまでのリードは、バイデン氏の得点と言うより、トランプ大統領の失点が大きいと目されています。このため、トランプ大統領は、いわば「雨降って地固まる」そんな保守派の支持固めにあらためて力を入れています。メディア映りを意識した両者の戦いは、ますます激しい水しぶきをあげそうです。

(髙橋 祐介 解説委員)

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