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「ビジネス関係者 往来制限の行方」(ここに注目!)

神子田 章博  解説委員

新型コロナウイルスの水際対策として行っている外国人の入国を制限する措置をめぐり、政府は、一部の国について緩和する方向で検討を進めています。

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Q 神子田さん、この水際対策の見直しどういう理由で始まったのか?
A 政府は海外から入国した外国人から国内に感染が広がるのを防ぐために、アメリカやブラジルなど110を超える国と地域について、外国人の入国を拒否しています。ただ先月は外国人の訪日が二か月続けて前の年に比べて99.9%も減るなど、経済活動は大きな影響を受けています。こうした中で、政府はタイとベトナム、それにオーストラリアとニュージーランドの、あわせて4か国については、ビジネス関係者らに限った往来制限の例外的な緩和について相手国と話し合うなど検討を進めています。

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Q どうしてこの4か国なんですか?
A 感染の状況が落ち着いているほか、日本との経済的なつながりも大きいというのが理由です。ただ入国制限を緩和する場合でも、各国から日本に向けて出国する前にPCR検査を受けてもらうことや、入国後の行動を把握する仕組みも含めて検討し、感染拡大の防止と両立をはかりたいとしています。

Q 経済的なつながりでいえば、お隣中国も結びつきは強いですよね?
A 中国は、海外から入国する外国人を14日間ホテルなどに待機させいわば隔離していますが、韓国からのビジネスを理由とした入国に関しては、先月から、出国前と出国後にPCR検査を行って感染していないことが確認できれば、隔離期間を短縮する措置を開始しました。このため日中の産業界からは、日本と中国の間でもこうした措置を求める声がでています。しかし中国の北京では今月11日以降130人を超える新たな感染者が確認されるなど不安材料も残っており、いまのところ緩和の検討の対象とはなっていません。

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日本で今年3月から4月にかけて感染の大規模な流行が起きたのは、海外から入国した感染者がウイルスを持ち込んだためだと専門家は分析しています。そうした経験があるだけに、入国制限の緩和が感染の再拡大につながらないよう慎重に進めていく必要があるようです。

(神子田 章博 解説委員)

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