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「手探りの制限緩和の行方は」(ここに注目!)

出川 展恒  解説委員

新型コロナウイルスの感染拡大で、入国を制限していたヨーロッパの国々が、今週、相次いで、制限の緩和に踏み切っています。感染が再び拡大する恐れもあり、各国は手探りで緩和を進めています。
出川解説委員です。

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Q1:
ヨーロッパの国々が、今、入国制限を緩和しているのはなぜですか。

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A1:
はい。各国とも、夏のバカンスを前に、経済で大きなウエイトを占める観光業を立て直す必要に迫られているからです。
EU・ヨーロッパ連合は、3月以降、国境をまたぐ移動を制限してきましたが、今月中に、EU域内での移動を、全面的に再開することを目指しています。ただし、出入国管理の権限は加盟国にあり、国ごとに対応が異なります。

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イタリアは、今月3日から。フランスやドイツは、今週。スペインは、来週から再開します。一方、チェコは、感染者が多い国からの入国を禁止しているほか、ギリシャも、こうした国からの旅行者に、PCR検査や隔離を義務づけるなど、一定の制限を設けています。
EUは、次に、域外からの観光客も、来月1日から段階的に受け入れることを、加盟国に提案しています。

Q2:
EU域外からの観光客ですか。どのように受け入れるのですか。

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A2:
EUの加盟国は、今後、どの国から入国を認めるかを協議して、リストを作る方針です。
その際、基準となるのは、相手国の感染が収まっているか、そして、相手国もEUからの入国を認めるかどうかです。ただし、加盟国ごとに方針が異なるため、統一されたリストを作るのは容易ではありません。
日本からの観光客を受け入れる方針の国もありますが、日本政府は、EU加盟国への渡航の中止を求めています。

Q3:
各国にとって、感染が再び拡大するのをどう防ぐかは、大きな課題ですね。

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A3:
はい。とくに、症状が現れていない感染者が入国し、感染を拡げるのを防ぐのは、非常に難しいと思います。出発前と到着後に、それぞれ健康診断や検査を行う体制を確立することが重要です。そして、感染者が見つかった場合、どこに収容し、同じ旅客機で到着した他の乗客をどう追跡するかなど、難問だらけです。とにかく、綿密な対策と国際的な協力体制が必要になると思います。

(出川 展恒 解説委員)

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