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「関電 旧経営陣を提訴へ」(ここに注目!)

水野 倫之  解説委員

関西電力の金品受領問題で、関電は当時の経営陣が会社に損害を与えたとして、賠償を求めて提訴することを決した。水野倫之解説委員の解説。

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会社が元の経営者を訴えるとはただごとではないが関電が過去のしがらみを断ち切って再出発するためにも、提訴は当然の判断。
この問題では、幹部が原発の地元の元助役から3億6000万円相当を受け取っただけでなく、業績悪化で減額した役員報酬もひそかに補填していた。

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第三者委員会は、▽関電のガバナンスの機能不全、▽極端に内向き体質だった点を厳しく指摘。
こうした点を根本から正して出直せるかが関電には問われているわけで、まずはけじめを一つつけたということ。
外部弁護士の委員会の調査では、八木前会長ら5人が、取締役としての職務を適切に行わなかったと認定され、元助役の関連会社への高額で発注するなどの損害が発生したとされた。
関電はこれに調査費用も加え、あわせて19億3,600万円を5人に賠償請求することにしている。

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ただこの提訴だけで出直しとはいかない。
関電は引き続き原発再稼働を経営の柱に据えて今後3基の再稼働を進める方針だが、第三者委員会は「原子力事業本部が独立王国のようになり病根だった」と指摘。
原発は社会問題になりやすく閉鎖的なムラ社会が形成され内向きとなっていたわけで、原子力部門の改革を進め信頼回復をはかることが不可欠。
関電は原子力本部にコンプライアンス担当の副本部長を置き、原発工事の発注も外部の専門家が毎月内容をチェックするとしている。信頼回復のためにはこうしたチェック内容もきちんと地元に説明して、開かれた組織に変えていくことが必要。

(水野 倫之 解説委員)

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