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「マイナンバー 1口座のみ連携へ どうやって?」(ここに注目!)

竹田 忠  解説委員

政府は一人につき一つの預貯金口座とマイナンバーをひもづけることを
義務化する検討に入りました。竹田忠解説委員に聞きます。

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Q①竹田さん、この話し、急に出てきたという感じがするんですけど?

おっしゃる通りです。
発端は一人10万円を一律に配る特別定額給付金なんです。
これが遅い。予算が通って、ひと月以上たつのに、
まだ全世帯の4割にも届いてない。
これは、今回のためにわざわざ振り込み用の口座を
届けてもらうために時間がかかっている。

だったら、あらかじめ、
その人のマイナンバーと、一つの銀行口座をセットで登録してもらっていれば
何かあった時にすぐにスピード支給できるだろうと。
実際、アメリカでは、社会保障番号を使って、個人の口座に直接、
2週間程度でお金を振り込んでるんです。

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Q②でも、この絵を見ると、一つの銀行だけでなく、
 他のたくさんの銀行も連携されているようにみえますが?

そこが今回、モメた所なんです。
実は、政府は一つの口座だけでなく、
全ての預貯金口座とマイナンバーを連携させたい、
義務化したい、と言ってたんです。
というのも、そもそもマイナンバー制度には、
その人の複数の口座をマイナンバーで連携させて
資産状況が把握しやすいようにして、
社会保障や税を公平に負担してもらおうという狙いがある。

例えば、お金がなくて困っている人には
負担を軽くしたり、給付を増やしたり。
逆にお金がある人にはもっと負担を求めたり。
そういうことができるように、話しを進めようとした。
しかし、与党の中からも、
まだ国民の理解は進んでいないという慎重論が出て。
結局、今回、コチラの話しは見送って
とにかく一つの口座と連携させることを先行させようということになった。

Q③で、今後、この話し、どうやって進めるんですか?

政府は来年の通常国会での法案提出を目指してるんですが、
最大の課題は、この1つの口座の登録を
「義務化」しようとしていることなんです。

C200615_3.jpg

国民からすれば
重要な個人情報の登録を強制される、ということになる。
しかし、たとえば年金で以前、大量の個人情報が流出して
大問題になったことは記憶に新しいところです。
では今回は、どういう仕組みで、どう安心できるのか?
なぜ大丈夫なのか?
そういう説明が、今後重要になってくると思います。

(竹田 忠 解説委員)

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