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「大学入試 指針はまだか!」(ここに注目!)

西川 龍一  解説委員

新型コロナウイルスによる休校の影響で、大学進学を目指す高校3年生の間に不安が拡がっています。

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Q1.大学入試という山に雲がたちこめていますね?

A1.文部科学省は大学入試が適切に行われるように、毎年5月末から6月初めにその年の大学入試の実施のルールなどを定めた「実施要項」をまとめ、各大学などに通知しています。この絵のように山登りに例えれば、ガイドブックのようなものですが、今年はまだ、通知のめどが立ちません。

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Q2.ガイドができないわけですね?

A2.そのため、受験生の準備に向けた最大の関心事である入試の日程がはっきりしません。新型コロナウイルスの感染拡大による学校の休校は、最も長いところでは3か月間に及びました。高校関係者や現役の3年生からは、入試全体の日程を遅らせるよう求める声が上がっています。一方で、50万人が受験する大学入学共通テストの日程は、来年1月16日から2日間とすでに発表されています。これを含めてどうなるのかは、日々の取り組みに直結します。

Q3.それなら早くまとめる必要がありますね?どうして遅れているのですか?

A3.ウイルスの感染状況が見えない中で、直前に日程変更を余儀なくされる可能性があるからです。ただ、それでは受験生の不安は募るばかりですから、文部科学省は、全国高等学校長会に依頼して、高校側の意見を集約し、大学側と協議したうえで早急に結論を出すとしています。それでも実施要項がまとまるのは、今月末までずれ込む可能性があります。

Q4.どうすればいいのでしょうか?

A4.大事なのは、受験機会の確保です。たとえば共通テストであれば、通常全国2か所の会場でしか行わない再試験を全国で受けられるようにすることや、個別試験の場合、同じ学部で複数の試験が設定されていれば、日程の振り替えを柔軟に認めることなどで受験機会を確保するといった工夫は可能です。大学にとっても入試ができなければ学生の確保ができないだけに、感染の第2波を見据え、2重3重の仕組み作りを検討しているということだけでも早急に示していく必要があります。

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(西川 龍一 解説委員)

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