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「予備費10兆円!国会のチェックは」(ここに注目!)

曽我 英弘  解説委員

国会は8日から新型コロナウイルス対策の第2次補正予算案の審議が始まる。
かつてない規模となった今回の予算案をどうチェックしていくのかが課題だ。

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Q 予算の束が高く積まれているが、その中にある「予備費」とは何か。

A 「予備費」は不測の事態に備えるため使いみちをあらかじめ決めない費用で、過去にはリーマンショック翌年の当初予算で1兆円、東日本大震災後の補正予算で8000億円に計上された。
ただ今回は、予算全体(31兆9114億円)の3分の1近くを占める大きさだけに、野党側は「政府に白紙委任はできない」と主張していた。
このため政府与党は先週になって、このうち5兆円を雇用の維持や中小企業支援、医療体制の強化などに充てる考えを伝えて理解を求め、8日審議が始まることになった。

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Q これで一件落着か。

A 必ずしもそうとは言えないと思う。
巨額の予備費を計上した理由について政府は、感染の第2波、第3波といった「長期戦に臨機応変に対応するため」と説明し、使用する際には適時適切に国会に報告するとしている。
ただ本来追加の費用が必要になれば、政府は改めて予算案を国会に提出し、予算審議を通じてチェックを受けるのがあるべき姿だという指摘もある。
10兆円と言えば消費税4%から5%程度の税収に匹敵する大きな額なだけに、効果は出ているか、ムダや不透明な点はないか、きちんとチェックしていくことが国会全体の責任だろう。

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Q 国会最終盤、論戦の行方はどうなりそうか。

A 4月に成立した1次補正に盛り込まれていた中小企業などに対する「持続化給付金」や、観光などの消費喚起策「Go Toキャンペーン」の業務委託のあり方やその費用をめぐって政府与党と野党の意見が鋭く対立しており、審議でも重要なテーマになるだろう。
国会は17日の会期末に向けて対決色が強まりそうだ。

(曽我 英弘 解説委員)

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