『第2波』に2つの理由!?
2020年06月02日 (火)
堀家 春野 解説委員
東京都や北九州市で新型コロナウイルスへの感染確認が相次ぎ、“第2波”への懸念が高まっています。
Q)。すでに“第2波”が起きているのでしょうか。
A)。全国で感染が広がっているわけではないので、全国的な第2波とはいえないと思います。東京都では増減がありますが、感染者が急激に増えている北九州市は“第2波”だととらえているようです。
Q)。なぜ北九州市で感染が相次いでいるのでしょうか。
A)。2つの理由が考えられます。1つは一旦感染者がゼロになってもウイルスは消えることはなく水面下で感染が続いていたとみられることです。新型コロナウイルスは“見えにくい感染症”と言われています。重症になる人や亡くなる人もいますが、8割は軽症で症状が無い人もいます。ですので気づかないうちに感染が広がっていた可能性もあります。こうしたことは全国どこでも起こり得ると専門家はこう指摘します。
Q)。もう1つの理由は何でしょうか。
A)。幅広くPCR検査を行っているので感染者が捉えられているということです。今回、北九州市は感染者の濃厚接触者については症状が無くても全て検査しています。症状が無い人をどこまで検知できるのかという課題はありますが、検査体制が整ってきたということでもあります。
Q)。検査の結果、病院や介護施設、学校で感染の確認が相次いでいますね。
A)。そうですね。特に病院や介護施設では重症化のリスクが高いとされる高齢者が集まっているので早期の検査、隔離が有効だと思います。同時に重要なのが予防策です。
病院では、救急搬送されてきた患者から感染が広がったとみられるケースも確認されています。初めから感染者だとわかっていれば防護服やフェイスシールドを着ける対策を徹底しますが、感染者だと判明していないケースでは不十分な面もあったということなんです。院内感染が広がると地域医療にも影響が及びます。全国でもこうしたケースを想定して予防策を徹底し今後の感染の山を小さく抑えることが重要になってくると思います。
(堀家 春野 解説委員)
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