経済活動の再開によって、課題となるのが感染防止対策です。
政府は、外出中に感染者と接触していたかどうかがスマートフォンで
わかるというアプリを、今月から導入します。竹田忠解説委員です。
Q①なぜ、スマホのアプリで、接触したかどうかがわかるんですか?
A
このアプリを入れると、スマホどうしが勝手に
近くにある別のスマホと無線通信をするんです。
具体的には、1メートル以内に、15分以上いた相手を
全て記録していきます。そして、たとえば、この男性が、
この後、感染して陽性であることがわかった場合は、
自分でアプリにそのことを入力してもらう。
すると、接触した記録があるすべてのスマホに、
接触してましたよ!という通知がいく。
通知を受けた人が、早速検査を受けたり、外出を自粛したりすれば、
感染拡大の防止に役立つという仕組みです。
Q②でも、自分の個人情報がいろんな人のスマホに
記録されていくということでしょうか?
A
そこは不安に思うところですよね。
でも、そこは考えられていて、記録する情報は、すべて暗号化して、
どこの誰かはわからないようにします。
なので、先ほどの通知にしても、自分が濃厚接触者だとはわかっても、
その接触した感染者というのが、どこの誰のことなのか、ということは、
わからない仕組みなんです。
また、データも、あくまで端末のみで記録して、
2週間たったら消えていくので、
データを国がまとめて管理したり、追跡したり、ということは
仕組みとしてできないと、政府は説明してるんです。
Q③このアプリ、必ず入れないとダメなんですか?
A
そんなことはありません。入れるかどうかはあくまで本人の自由です。
ただ、できるだけ多くの人が利用した方が、効果があがります。
というのも、このアプリ、両方のスマホに入っていて、はじめて通信ができます。
安倍総理大臣は先日の会見で、このアプリを人口の6割近くが使えば
ロックダウンを避けることができるという海外の研究結果を紹介して、
普及拡大に力をいれる考えを強調しました。
でも6割というのは相当に高いハードルです。
今月中旬から、無料でダウンロードできるようになる予定ですが、
どこまで、政府が丁寧な説明をして
国民に理解してもらえるか、信用してもらえるか、
そこにかかってくると思います。
(竹田 忠 解説委員)
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