緊急事態宣言が39の都道府県で解除され、休業の要請をとりやめる動きがひろがっています。
Q 神子田さん、経営の苦しい飲食店などは、営業が再開できてほっとしている人もいるのではないでしょうか?
A そうですね。ただ感染防止の取り組みは継続する必要があります。きのう発表された外食業界のガイドラインに基づいて感染防止対策を徹底した居酒屋をイラストにしてみました。お客さんには入口の消毒液で手指の消毒をしてもらい、できるだけ2メートル最低でも1メートル以上離れて対面しないように座ってもらうか、テーブルの上に透明なアクリル板で区切りを設ける。少人数の家族や友人グループの場合は、対面して座ることを認めても、他のグループとの相席にはしない。隣のテーブルとの間は、パーティションで仕切る。店員はマスク着用、徹底した換気も行う、と、ここまでやっても店側には心配が残ります。
Q どういう心配ですか?
A そもそも感染を恐れる人が多い中で、客足が戻るのかという心配があります。さらに感染が流行している地域からきたお客が地元の人たちに感染させることないか心配する声も聞かれます。
Q そうした心配を解消するにはどうしたらいいんでしょう?
A 県境をまたぐ移動を控えるよう引き続き協力を求めていく必要があります。また緊急事態宣言が解除された地域では、なんとなくもう山は過ぎたと思って、気が緩んでしまいそうですが、感染のリスクはまだまだ続くといわれます。経済活動が再開しても、再び感染が拡大すれば、これまでの努力も水の泡となってしまいます。そうならないために欠かせないのが、3密を避ける、手洗いや手指の消毒マスク着用の徹底、体調が悪ければ外出を控えるなど新しい生活様式の定着です。さらに経済界でも、経団連がきのう、テレワークや時差出勤、仕事をやりくりして出勤日を減らす週休三日制など人との接触機会を減らす、いわば新しい仕事様式を呼びかけました。まずは緊急事態宣言が解除された地域で、生活や仕事の面で新しい行動様式をどこまで定着させ、経済を動かしながら感染拡大を抑え込めることができるかが、試されることになります。
(神子田 章博 解説委員)
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