新型コロナウイルスの影響で、生活に困る人が増えている中、政府は、「給料の前借り」をうたった違法なヤミ金融に注意するよう呼び掛けています。
Q)「コロナにお困りの方へ」という文字に、多くの人が手を伸ばしていますね。
A)新型コロナウイルスの影響で、収入が大幅に減ったり、解雇・雇止めにあったりして、生活に困る人が増えているからです。こうした人たちにSNSやインターネットなどで「給料の前借りできます」など宣伝をする「給料ファクタリング」というサービスがあるのですが、金融庁が、絶対に利用しないよう呼び掛けています。
Q)なぜ、利用してはいけないのですか?
A)借金ではない。利息の心配はない。などと言っていますが、実際には
▼ 年率にすると100%を超える手数料をとっていたり、
▼ 家族や勤め先に執拗に取り立てをしたり、
▼ 支払いが数日遅れただけで、法外な遅延金を請求したり、といった被害の相談が相次いでいるからです。
Q)違法ではないのですか?
A)こうした行為。貸金事業者については、すべて禁止されています。しかし、給料ファクタリングの事業者は、自分たちは、貸金業ではないので、規制の対象にはならない、と宣伝していました。ところが、先月、金融庁が、これは貸金業にあたり、登録をしていない事業者は違法なヤミ金融だ。こうした行為も全部違法だという見解を示したのです。
Q)すでに利用している人はどうすればいいのですか?
A)この問題の被害相談を受けている弁護団が、きょうから電話相談を受け付けます。すでに、収入が減って返済できなくなったという相談も寄せられているそうです。悪質な事業者については、警察も取り締まりを進めてほしいと思います。
一方、今、資金繰りに困っているという方については、国や企業が、支払いの猶予や無利子融資といった支援策を出してきていますので、その窓口に相談をしていただきたい。ヤミ金融は、いっぺん借りると雪だるま式に借金が膨れ上がることになりかねません。絶対に手をださないようにしていただきたいと思います。
(今井 純子 解説委員)
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