緊急事態宣言のなか市民が安心して生活を続けるために物資やサービスの維持が欠かせません。
Q)食料品などの物資やサービスはいつも通りなのですね。
A)
大手スーパーやコンビニ、公共交通機関、金融機関などは原則として平常と同じ営業を続けます。地震などで施設が壊れたわけではなく供給力や流通は普段通りなので消費者側も落ち着いて行動することが大切です。
Q)今後の感染拡大が心配ですね?
A)
万一、多くの社員が出社できなくなって供給に支障が出る事態が懸念されていて、大企業の多くは事業継続計画をベースに苦心して対策を練っています。
在宅勤務のほか社員をグループ分けして交代制にするのもそのひとつです。ある大手銀行は一か所に置かれていた重要部門を複数のビルやフロアに分散させ、感染者が出ても全体が機能停止しないように備えています。
万一、感染が広がってしまった場合に備え、鉄道会社の中には社員が大きく減った時の運行計画を作ったところもあります。また生活用品のメーカーは生産体制を縮小しなければならなくなったときに、なんとしても生産を続ける商品と中止してもよい商品を決めて、衛生関連など重要商品を守る準備をしています。
Q)中小企業は対策が難しいのでは?
A)
その通り。中小企業の中にも事業継続計画で生産を続けられなくなったとき同業他社に替って作ってもらう契約をしている企業もあります。神奈川と新潟の同業者の組合が協定を結んで、社員が出て来られなくなったり材料が手に入らなくなったりしたときに派遣したり融通しあったりする体制をとっているところもあります。
この取り組みは大企業も学ぶべきもので、物資やサービスの供給を続けるためにライバル企業が協力することを含めて、今からさらにできる対策はないか、入念な検討が求められています。
(松本 浩司 解説委員)
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