政府は、あす(7日)にも、緊急経済対策を決定します。その裏付けとなる補正予算案の審議に向けて国会内でも新型コロナウイルスの感染予防策を講じています。
Q)経済への影響が急速に広がっているだけに、一刻も早い対策が求められますね。
A)政府が、あす(7日)にも決定する緊急経済対策は、リーマンショックの際を上回る規模で、中小企業や小規模事業者、生活が困難になるおそれがある世帯などに直接、現金を給付する措置が盛り込まれる見通しです。
政府・与党は、そのための補正予算案を、速やかに国会に提出し、大型連休前に成立させたい考えです。
Q)審議が行われる国会では、どのような感染防止策が取られているのでしょうか。
A)先週1日、参議院で決算委員会が開かれ、わたしも取材に行ってきました。閣僚はマスクを着用して、座席の間隔を空けるなどの対策が取られていました。また、委員席も、これまで1つの机を3人が使う形で着席していましたが、2人ずつ使うことで間隔を空けていました。
それでも、私が数えたところ、委員会室には100人位の人が入っていて、加藤厚生労働大臣などを除いて、ほぼすべての閣僚が7時間にわたって、同じ部屋にいました。安倍総理大臣と、総理大臣が病気などの際に職務を代行する麻生副総理兼財務大臣は隣同士でした。
Q)一たび国会で感染者が出ると感染拡大が心配ですね。
A)国会のルールを定めた国会法などは、感染症という事態を想定していません。
感染を防ぐ対策が不十分だとして、国会休会を求める声も出る中、自民党と立憲民主党は休会にしないことを確認していて、衆議院では、▼マスクの着用や、▼換気の徹底、▼感染者が出た場合、室内の消毒を行うことなどを申し合わせました。
ただ、政府が呼びかける3つの「密」を避けるといった感染予防策を国会でどう実現していくか、検討はこれからです。
Q)実際に感染者が出た場合は、審議に影響する恐れもあるのでは?
A)国会で感染が広がるようなことがあれば、審議だけでなく、対策を進める政府にも影響が生じる可能性は否定できません。
その一方で、閣僚と国会議員による活発な審議は、対策への理解を深めるためにも、欠かすことはできません。
必要な審議を進めるため、国会や政府が機能を果たせなくなるような事態をどう避けるのか。ウイルスとの戦いに勝利するためにも、与野党で一層、知恵を絞ってほし
いと思います。
(梶原 崇幹 解説委員)
この委員の記事一覧はこちら