新型ウイルス『外出自粛』に2つの理由
2020年04月03日 (金)
堀家 春野 解説委員
新型コロナウイルスの感染が広がる中、各地で“不要不急”の外出を控えるよう呼びかけられています。背景には2つの理由があります。
Q)。外出の自粛が必要な2つ理由とは何でしょう。
A)。1つ目はもちろん、人と接することを避け感染の拡大を防ぐということです。
このところ“コロナ疲れ”とか“自粛疲れ”という状況が見られ、専門家は警戒感が緩んでしまったのではないかと懸念しています。引き続き、3つの密、▽換気の悪い密閉空間、▽多くの人が集まる密集場所、▽近くで会話する密接場面、こうした状況を徹底して避ける必要があります。そうすることが、自分が感染しない、周りにも感染させないことにつながります。
Q)。もうひとつの理由は何でしょうか。
A)。医療崩壊を防ぐためです。特に感染者が増えている都市部の医療現場はギリギリの状態だといってもいいと思います。ベッドや重症となった患者に必要な人工呼吸器の数には限りがあります。限度を超えて一気に患者が増えると対応しきれず救える命も救えなくなってしまいます。専門家は感染が拡大している地域などでは3つの密を避ける、そして外出を自粛するなど日ごろの行動を見直してほしいとしています。
Q)。ただ、どこまで外出を控えるべきなのかわかりにくいという声も聞きます。
A)。そうですね。3月末の週末は、家から一歩も出てはいけないのではないかという誤解から、一部のスーパーで買いだめが起きました。かえって多くの人が集まる密集場所になってしまったところもあるんです。専門家はスーパーや薬局に、生活に必要なものを買いに行くことや、体を動かすために近所を散歩することまで制限するものではないとしています。その際にも3つの密を避ける、人となるべく接しないことが重要です。新型コロナウイルスとの闘いは長期戦を覚悟する必要があります。感染の拡大、そして医療崩壊を食い止めることができるかどうかは私たちの行動にもかかっているといえます。
(堀家 春野 解説委員)
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