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「マスク姿の選挙戦 韓国総選挙」(ここに注目!)

出石 直  解説委員

韓国の国会議員を選ぶ4年に一度の総選挙の選挙戦がきょう(2日)から始まります。
出石 直(いでいし・ただし)解説委員です。

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Q1、皆さんマスク姿ですね。

A1、韓国の選挙運動は日本同様、有権者と握手をして支持を訴えるのがいつもの姿なのですが、今回は感染を広げないよう候補者もマスク姿、有権者と距離を保っての異例の選挙戦となります。選挙管理委員会では、発熱などの症状がある有権者の投票スペースを臨時に設けるなど対応に追われています。

Q2、選挙ではやはり新型コロナウイルスへの対応が大きな争点になりますね。

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A2、その通りです。
政権与党は、ドライブスルー方式のウイルス検査など積極的な措置を講じた結果、「新たな感染は抑えられつつある。韓国の感染症対策は世界の模範になっている」と成果をアピールしています。
これに対して野党側は、ムン大統領が事実上の終息宣言を出した後に感染が急速に広がってしまったことや、経済が落ち込んでいるのは「政府の責任だ」と批判、議会第一党の奪還を目指しています。ムン政権の新型コロナウイルスへの対応を有権者がどう評価するかが勝敗の鍵を握ることになるでしょう。

Q3、今回は300人の国会議員を選ぶ選挙だということですが、韓国の政治にとってはどのような意味があるのでしょうか?

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A3、ひとつは、ムン政権の国政運営に対する評価を問う選挙だということです。就任当初は非常に高い支持率を誇っていましたが、法相に任命した側近をめぐる疑惑などで一時は支持率を大きく落としました。蜜月状態だった北朝鮮との関係もしっくりいっていませんし、日本やアメリカとの間にも隙間風が吹いています。任期半ばを過ぎたムン大統領のこれまでの国政運営がどう評価されるかが、ひとつめの注目点です。
もうひとつは、2年後に迫った大統領選挙前哨戦。ソウル中心部の選挙区では、次期大統領の有力候補である首相経験者どうしが直接対決します。勝った方が2年後の大統領選挙に向けて大きな一歩を踏み出すことになるでしょう。最新の世論調査では今のところ政権与党が優勢ですが、まだ支持を決めていない層もかなりいます。
韓国政治の行方を大きく左右する選挙、投票は4月15日です。

(出石 直 解説委員)

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