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「新型ウイルス 逆風下のスタート 同一労働 同一賃金」(ここに注目!)

竹田 忠  解説委員

働き方改革の大きな柱である
同一労働・同一賃金がきょう(1日・水)大企業を対象にスタートします。
担当は竹田忠(たけだ・ただし)解説委員です。

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Q① この絵を見ると、同じ仕事をしているのに
  正規と非正規では、風船の数や大きさが違うんですね?


そうなんです。日本では正規と非正規の格差があまりに大きい。

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このグラフは各年齢でどれだけ賃金をもらっているかを示したものですが、
正規と非正規で、これだけ開きがある。

これを平均賃金で見てみると、正社員は月およそ32万円なのに対して
非正社員はおよそ21万円。1.5倍も開きがある。

こうした大きな格差は是正すべきだ、ということで、
政府は働き方改革で法律を改正し、
企業に対して、“不合理な格差は認めない”という、
いわば日本型の「同一労働 同一賃金」を求めることになったわけです。
大企業はきょうから、中小企業は、来年4月から適用されます。

Q② 実際に、これで格差は是正されるんでしょうか?

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A
すでにこの春の春闘で、前倒しで取り組む事例が出ています。
たとえば、正規より非正規の賃上げ率を高くしたり、
正社員にしか出していなかった役職手当やボーナス、
それに退職手当などを非正規にも出したり、という所が出始めています。

Q③ 気になるのは、新型コロナウイルスの感染拡大で、
企業の経営は今、大きな影響を受けてますが?


まさに逆風が吹いています。
特にもともと非正規の割合が多い、
旅行、観光、それに外食。こうしたところが厳しい影響を受けています。
業種によっては、雇用危機への対応で手いっぱい、という所もあるでしょう。
しかし、そうでない所は、もう対応の先送りはできません。

Q④ それは、なぜ?

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この法律によって、企業には説明義務が課されるためです。
正規と非正規で差があるのか?
あるのなら、それはなぜか?
労働者から要求があれば、企業はチャンと説明しないといけない。
もし、説明できなければ、それは「不合理な格差」だということになって、
改めないといけなくなる。
今回の法律はそういう仕組みになっているんです。

実は、日本の企業に足りないのは、こうした職場内での説明だといわれています。
格差是正にどう取り組むのか、企業のあり方が問われています。

(竹田 忠 解説委員)

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