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「新型コロナウイルス 苦悩する学校」(ここに注目!)

西川 龍一  解説委員

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため多くの学校は休校が続き、この時期異例の長期休暇という事態になっています。

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Q1.イラストは卒業式ですね?

A1.すでに卒業式を終えたところもありますが、今週末あたりに卒業式、終業式というところが多いと思います。1、2週間と期間を決めて休校に入ったところもあります。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大をめぐる状況が変わらない中、学校を再開するという判断は難しく、このまま本来の春休みに入るところがほとんどです。そうなれば1か月以上と夏休み並みの長い休暇期間となります。

Q2.子どもたちにとっては一生に一度の思い出となる卒業式も制約が多いようですね?

A2.感染リスクを避けるため、在校生や来賓の参加を見送るといった対策が取られています。出席者は全員マスクを着け、本来1人1人に手渡す卒業証書は、代表が受け取る形にして、時間も短縮。保護者の出席も1人に限るという学校も多くなっています。

Q3.卒業生や保護者には気の毒な気がしますが、学校側の対応も悩ましいですね?

A3.学校にはすでに次の悩みが待ち受けています。入学式と新年度の授業をいつから始めるのか判断しなければなりません。授業の再開時期が遅れれば、子どもたちにとって大切な学びの機会の確保という学校の役割が果たせないことになり、年間の授業計画や行事の見直しが必要になります。さらに子どもたち自身への影響が深刻化する可能性があります。

Q4.どういうことですか?

A4.想定外の1か月以上の長期休暇で、子どもたちの生活リズムが崩れてしまうことです。特に今回は、感染リスクへの懸念から、図書館や競技場などの公共施設や遊園地などの娯楽施設も休みとなり、公園でも遊具が使えないなど、子どもたちもストレスをため込む状況です。学習への意欲の低下や運動不足、食生活の問題などは休みが長期化するほど家庭環境によって格差が大きくなることも専門家から指摘されています。発達のバランスが崩れれば数年後にまで影響が残る可能性もあるだけに、そうしたことが起きないよう対策を講じる必要があります。

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(西川 龍一 解説委員)

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