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「何が変わる?新型ウイルス検査」(ここに注目!)

堀家 春野  解説委員

新型コロナウイルスの検査が6日、公的医療保険の適用対象になります。
何が変わるのでしょうか。

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Q)検査が受けられないといった声を聞きますね。
A)医師が、検査が必要だと判断して保健所に相談しても断られたというケースが報告されています。いま、検査は基本的に感染が疑われる人の診療を行う「帰国者・接触者外来」に指定された医療機関から保健所を通じて、主に自治体の検査機関で行われています。検査は全額公費で賄われ、保健所が、検査が必要なのかどうかを判断します。
「帰国者・接触者外来」以外の診療所などにも患者が訪れ、検査のニーズが高まっています。相談が断られる背景には検査能力を超えないよう受け入れを抑制している地域もあるのではないかといった指摘も出ています。

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Q)検査に公的医療保険が適用されると何が変わるんですか。
A)保健所を介さずに、医師の判断に基づいて検査が行われることになります。加えて、厚生労働省は民間の検査機関の参入が増え、現在、1日最大で4000件が可能だという検査件数の増加が期待されると説明しています。検査のすそ野が広がり参入しやすくなるというのです。検査についての個人負担はこれまで通りかからないということです。

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Q)希望すれば誰でも検査が受けられるのでしょうか。
A)そういうわけではありません。あくまでも医師が診察し肺炎の症状があるなど検査の必要があると判断した場合に限られます。検査を受け付ける医療機関もまずはこれまで通り、「帰国者・接触者外来」が中心となる見込みです。感染の疑いがある人が一般の医療機関を訪れると感染を広げてしまうおそれがありますし、検査に必要なサンプルを安全に採取する体制が十分なところばかりではないからです。どの医療機関や検査機関で検査を行うのか、今後、それぞれの都道府県で調整することになりますが、必要な人の検査がきちんと行われ、早期の治療につなげることができるのか注目したいと思います。

(堀家 春野 解説委員)


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