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「米大統領選 スーパーチューズデーに波乱!?」(ここに注目!)

髙橋 祐介  解説委員

アメリカ大統領選挙に向けた民主党の候補者選びは、きょう(3日)大きなヤマ場となるスーパーチューズデーを迎えます。髙橋解説委員です。

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Q1)
けさのイラストは、ひな祭り?
A1)
民主党の大統領候補に選ばれるためには、各州に割り振られた代議員の過半数を獲得しなければなりません。ひな祭りのケーキに喩えれば、すでに配分が決まっているのは、ほんのひと切れ分の4%足らず。全米14の州で予備選挙が一斉に行われるスーパーチューズデーは、この日だけで全体の3分の1以上、率にして34.8%の配分が一気に決まるのです。その決戦の日を間近に控えて、中道派の若手、ブティジェッジ前サウスベンド市長が選挙戦から撤退を表明したことで、情勢はにわかに流動化しています。

Q2)
ブティジェッジ氏の撤退で、どのような影響が出てくる?
A2)
直前の南部サウスカロライナ州で“起死回生”の初勝利を飾ったバイデン前副大統領には追い風になりそうです。同じ中道派から支持をまとめやすくなるからです。ただ、序盤戦で最有力候補に躍り出た左派のサンダース上院議員も、若者から圧倒的な支持を受け、代議員が最も多い西部カリフォルニア州でリードを広げようとしています。しかも、スーパーチューズデーから途中参戦してくる中道派の大富豪ブルームバーグ氏も、新たな選挙広告に巨額の資金を投入し、波乱を起こすかも知れません。

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Q3)
ブルームバーグ氏の新たな選挙広告って何ですか?
A3)
新型コロナウイルス対策に的を絞り、再選をめざすトランプ大統領の危機管理能力を批判。「同時多発テロ事件のあとニューヨーク市長を務めた自分なら、アメリカ国民の安全と健康を守り、経済への影響も食い止める」そうアピールしているのです。
波乱含みで決戦の日を迎える民主党の候補者選び。このスーパーチューズデーで“明確な勝者”が定まらなければ、混戦はさらに長引いて、ひょっとして7月の党大会まで決着がもつれ込むかも知れません。

(髙橋 祐介 解説委員)


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