きょう2月7日は「北方領土の日」。東京では、北方領土の返還を求める全国大会が開かれます。
停滞してきた領土交渉、打開策を見いだすことができるのでしょうか。
安間解説委員に聞きます。
Q)安倍総理大臣がプーチン大統領に柔道で挑んでいますね。
A)柔道の愛好家のプーチン大統領。交渉でも手強い相手です。
両首脳はおととし11月、「1956年の日ソ共同宣言を基礎に交渉を加速させる」ことで一致し、交渉の進展が期待されました。
安倍総理大臣は、「われわれの手で解決を」と呼びかけてきましたが、ロシア側は厳しい姿勢を崩していません。
「北方領土は、第2次大戦の結果、ロシア領になった」と主張し、日米同盟の存在にも繰り返し懸念を表明し、交渉は停滞してきました。
Q)北方領土に住んでいた元島民の方々の思いも切実ですね。
A)元島民の方々の平均年齢は84歳を越えています。
安倍総理大臣は去年の大会で、「切実な思いをしっかりと胸に刻み、一歩一歩、着実に、領土問題の解決に取り組んでいく」と決意を表明しました。
ことし安倍総理大臣は、5月にロシアで行われるナチスドイツに対する勝利から75年の行事にあわせて訪問を検討しています。
また9月にウラジオストクの国際会議で首脳会談が行われる可能性があり、安倍総理大臣がプーチン大統領の歴史認識や日米同盟の懸念にどう向かっていくのかが焦点です。
Q)打開策を見いだすことができるのでしょうか。
A)互いに原則論をぶつけあうだけではそれを見いだすことはできません。
そこで参考になる言葉があります。
柔道の創始者の嘉納治五郎は、自他共栄(自分と他人がともに繁栄すること)を説きました。
唐突に思われるかもしれませんが、JOCの会長を務めている柔道の山下泰裕さんが、かつてプーチン大統領に本人の直筆の書を贈り、大統領もこの考えを共有しています。
双方、首脳の任期が限られるなかで、両国WinWinの建設的な関係づくりに立ち返ることが必要となっています。
(安間 英夫 解説委員)
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