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「日米安保60年 同盟に亀裂の危機?」(ここに注目!)

津屋 尚  解説委員

現在の日米安全保障条約の調印から今月19日で60年になります。紆余曲折を経ながら日米同盟は強化されてきましたが、今年は新たな課題が待ち受けているようです。津屋解説委員にききます。

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Q:60年の記念行事のようですがトランプ大統領は不機嫌そうですね?
A:トランプ大統領が気にしているのはお金の話です。「在日米軍の駐留経費は日本が全額負担すべきだ」と不満を表明しています。駐留経費に関する今の協定は来年3月に期限が切れるので、今年改めて交渉が行われます。その時期が大統領選挙と重なることもあって、過度な要求をしてくるのではという警戒感が広がっています。

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Q:日本はどう応じるのですか?
A:アメリカの同盟国の中で最も駐留経費を負担しているのは日本です。日本は「適切に経費を分担している」との立場です。しかしトランプ大統領は、韓国にも駐留経費の負担を5倍にするよう要求していると伝えられていて、日本に対してもタフなディールを仕掛けてきそうです。

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Q:トランプ大統領はなぜ日本に厳しい要求をするのですか?
A:日米安保条約は不公平だと考えているからです。米軍は命かけで日本を守るのに、アメリカが攻撃されても日本は何もしてくれないと主張してきました。
しかし、この条約によってアメリカは、日本の基地を使用できる特別な権利を得ています。この事は、軍を世界展開させるアメリカの国防戦略の根幹でもあり、アメリカは十分な恩恵を受けているというのが日本側の主張です。日本に対する一方的な要求は同盟の結束を弱め双方にマイナスだという声が、アメリカ国内からも出ています。

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Q:日米同盟はどうなりますか?
A:防衛当局同士は、中国や北朝鮮などを念頭に様々な協力強化を進めています。でも、一方の最高指揮官が自分の選挙のことばかり考え「同盟軽視」の姿勢を続ければ同盟に亀裂が生じかねません。60年となる日米同盟。外の脅威への対応の前に、同盟内部の結束が問われる1年になりそうです。

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(津屋 尚 解説委員)

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