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「中国で新型の肺炎? 感染を抑えるには」(ここに注目!)

中村 幸司  解説委員

中国の湖北省武漢で新型のコロナウイルスによるとみられる肺炎の患者が相次いで見つかった問題についてです。

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Q:感染は、どれくらい広がっているのでしょうか?
A:患者は、中国からタイに入国した人を含め、2020年1月15日現在、42人報告されています。中国では、1月3日以降、新たな患者は確認されていないということですが、この間、患者1人が死亡しました。

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Q:コロナウイルスは、私たちの身近にいるウイルスなのですか?
A:コロナウイルスは、50種類以上見つかっていますが、ヒトに感染するものは、6種類あります。このうち4種類は、感染しても普段は「かぜ」と診断されています。
残り2種類は、重い肺炎になるケースが問題になったものです。一つは「SARS」、もう一つは2015年に韓国で感染が相次いだ「MERS」です。
これらは、コウモリやヒトコブラクダに感染しているコロナウイルスが、ヒトに感染するようになったと考えられています。

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今回のウイルスは、SARS、MERSに続く新型のコロナウイルスと考えられているわけです。

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Q:今後、どういったことが必要になるのでしょうか?
A:まずは、「感染源」の特定です。
武漢で感染した人の多くが、野生の動物が売られていた市場の客など関係者でした。どの動物から広がったのか、突き止めなければなりません。
もうひとつは「感染ルート」を調べることです。
いまのところ、ヒトからヒトへの感染は認められないとされています。ただ、ヒトの間で感染がないかどうかは、しっかり見極める必要があると専門家は指摘しています。といいますのも、SARSやMERSでは、ヒトからヒトへの感染で患者が広がったからです。
有効な対策につなげるために、感染源や感染ルートの徹底した解明が求められます。

Q:日本は、どのような対策が必要でしょうか?
A:感染が起きているのは、武漢、つまり限られた地域ですので、冷静に対応することだと思います。
ただ、武漢と日本の間には、直行便もあります。武漢から日本に来た外国人や日本人は、体調の変化に注意が必要です。国立感染症研究所によると、日本でも今回の新型コロナウイルスの感染を調べる検査ができるようになったということです。体調に異常があれば、医療機関で専門家の指示のもと、診察を受けることが必要になっています。

(中村 幸司 解説委員)

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