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「米大統領選バイデン氏最後の挑戦は?」(ここに注目!)

髙橋 祐介  解説委員

アメリカ大統領選挙に向けた野党・民主党の候補者選びが来月(2月)3日から始まるのを前に、中西部アイオワ州で14日、テレビ討論会が行われます。髙橋解説委員です。

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Q1)
けさのイラストは凧揚げですか?
A1)
アイオワの州都デモインで開かれるテレビ討論会には、一定の条件を満たした6人が参加します。焦点となるのは、全米の支持率でトップを走っているバイデン前副大統領が、ここで風に乗れるかです。緒戦となるアイオワ州で、バイデン氏は、サンダース上院議員やブティジェッジ前市長らとデットヒートを演じているからです。

Q2)
バイデン氏の強みと弱みは何でしょう?
A2)
バイデン氏は上院議員を36年、オバマ前政権で副大統領を8年務めた中道派の重鎮です。政治家としての長い半生は、必ずしも順風満帆ではなく、むしろ逆境の中で力を発揮してきました。現に、29歳の若さで上院議員に初当選した直後、妻と娘を交通事故で失い、その後、将来を嘱望された長男にも病気で先立たれるなど、幾多の試練を乗り越えてきました。
そんなバイデン氏は、民主党が支持基盤とする黒人有権者だけではなく、中西部ウィスコンシンやミシガン、東部ペンシルベニアといった激戦州で白人労働者層にも強く、「この人ならきっとトランプ大統領に勝てるはず」そうした期待を党内から集めているのです。その反面、かつてイラク戦争に議会で賛成票を投じたことで、今も批判を浴びています。副大統領時代ウクライナと次男が癒着していたとの疑惑を共和党から追及されているほか、77歳という年齢から世代交代も求められ、今ひとつ混戦から抜け出せないのが現状です。

Q3)
そうした現状は打開できるでしょうか?
A3)
バイデン氏の陣営は、民主党の大統領候補に指名されたら、自らの任期を“1期4年限り”として、再選を求めないことを公約に盛り込むことも検討しています。いまの民主党の支持層の多様化が進んでいることを意識して、副大統領候補には“白人以外の女性”を選びたいとの意向も明らかにしています。はたして凧は失速せずアイオワの空高くあがるのか?バイデン氏の“最後の挑戦”に注目です。

(髙橋 祐介 解説委員)

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