きょうから中国を訪問する安倍総理大臣はあす(24日)韓国のムン・ジェイン大統領との1年3か月ぶりの首脳会談に臨みます。出石 直(いでいし・ただし)解説委員です。
Q1、2人の首脳が期待しているのはクリスマスプレゼントですね。
A1、どんなプレゼントがもらえるのか2人とも楽しみにしているのではないでしょうか。安倍総理大臣が望んでいるのは「徴用をめぐる問題の解決」。日韓請求権協定で最終的に解決済みのはずのこの問題が、蒸し返されることがないよう、韓国政府がどんな提案をしてくるかに注目しています。
Q2、一方、ムン大統領は何を求めているのでしょうか?
A2、「貿易管理措置の撤回」です。輸出管理の優遇対象国いわゆるホワイト国に戻して欲しい、これがムン大統領の望んでいるプレゼントでしょう。
Q3、2人とも望み通りのプレゼントを手にすることができるのでしょうか?
A3、サンタさんに聞いてみないとわかりませんが、あまり過度な期待はできないと思います。徴用をめぐる問題では、日本と韓国の企業や個人から寄付を募って新たな財団を設立するという法案が、韓国の国会に提出されています。しかし、裁判の原告の一部や市民団体が反対していてムン政権も立場を明らかにしていません。仮に法案が通ったとしてもこれで最終的な解決になるかどうか「先行きは不透明」です。
韓国に対する貿易管理措置については、局長級の対話が3年半ぶりに再開されました。
しかし、韓国側の貿易管理体制がどのように強化されるのか、それを日本政府がどう評価するのか「今後の対話の進展次第」です。
Q4、となると、あすの首脳会談、あまり成果は期待できないということでしょうか?
A4、何しろ1年3か月ぶりの首脳会談です。この間、徴用をめぐる韓国最高裁の判決やレーダー照射問題、GSOMIAなどなど、次々と厄介な問題が起きました。まずは首脳同士の「信頼関係」を少しずつ築いていくこと。そしてこのところ挑発の動きを強めている北朝鮮に対して「連携して対応」していくことが重要だと思います。
クリスマスを楽しく過ごせるような後味の良い会談となるのか注目です。
(出石 直 解説委員)
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