健康のため望ましい栄養素の摂取量をまとめた「日本人の食事摂取基準」が近く正式に改訂され、年明けから1日の塩分摂取目標量が0.5g引き下げられる。水野倫之解説委員の解説。
塩分目標量はこれまで段階的に引き下げられ、
今は成人男性で1日8g、女性は7g未満が望ましいとされている。
これが今回男女とも0.5g引き下げられ、7.5gと6.5gに。
強制力はないが、子供の目標値も同時に引き下げられ、
学校給食ではこの目標値を参考に献立を決めるので、
調理する人たちはすでに味付けどうするか悩んでいる。
今回目標値を下げるのはやはり高血圧対策。
国内の高血圧患者は推定4300万人、最も患者数が多い。
放っておくと脳卒中や腎臓病、認知症につながるおそれもあり、
学会も今年、患者が目指すべき血圧を10引き下げ。
高血圧防ぐには患者だけでなく国民全体の減塩が不可欠で、今回引き下げとなった。
わずか0.5gだが達成するのは大変。
なぜなら現状、日本人は平均で9.9gも摂取していて今の目標値にもほど遠い。
しかも世界基準は5g未満とさらに低く、今回目標値をもっと厳しくしたいところですが、
急には難しいということで、0.5g減となった。
目標達成するには各家庭で注意が必要。
まずは食品の栄養成分表の食塩相当量を確認を。
カップ麺の中には1食で6gのものもあるので汁は残すなど食べ方を工夫してもいいかも。
また調味料の使い方でも工夫できる。
しょうゆは容器をスプレー式にかえれば半分以下に、
レモンなどで味付けするのも効果あり。
今回の改訂を、食生活を見直すきっかけにしてもらえれば。
(水野 倫之 解説委員)
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