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「旋風ロシア三人娘!」(ここに注目!)

石川 一洋  解説委員

フィギュアスケート女子でロシア女子3人娘の旋風が吹き荒れています。今週末にグランプリンシリーズの最終戦NHK杯が始まります。石川一洋解説委員です。

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Q.ロシア三人娘とは?

A.今年シニアのグランプリンシリーズにデビューした3人で、15歳のシェルバコワ、トゥルソワ、この二人は4回転、16歳のコストルナヤは3Aを武器としています。
3人ともモスクワのクラブサンボ70で、カリスマ的なコーチ・トゥトベリーゼさんの教え子です。これまでの5戦それぞれが別々に出場し、すべて三人が勝ち、NHK杯にはコストルナヤが参戦し、3人娘で6戦制覇を狙います。紀平梨花選手との3A対決が注目されます。

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Q.3人娘はなぜ強いのですか。

A.高い技術点で圧倒しています。
ロシア大会で優勝したトゥルソワさんは、フリーの技術点は95点、二位の選手を20点以上引き離し、男子のトップの選手の技術点も10点以上上回りました。彼女を上回るのは男子でも羽生選手とネーサン・チェン選手の二人しかいません。ほかの二人も90点前後の高い技術点を出しています。演技構成点では追いつけない差をつけてしまうのです。

Q.カリスマコーチの教え方は?

A.伝統あるロシアフィギュア界ではここ数年急速に頭角を現してきた新興勢力です。基礎体力、ジャンプ、振り付け、バレエ・ダンスなどチームで教え、リプニツカヤ、メドベージェワ、ザギトワ、今年は3人の天才少女とほぼ二年おきにシニアデビューさせました。「恐怖心のない11歳、12歳から4回転に挑戦させる」と述べていて、3人娘の下にも4回転を飛ぶ少女たちが何人も育っています。次は21年つまり北京オリンピックのシーズンに秘密の選手をデビューさせるのでは、という観測もあります。

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Q.凄い競争ですね?

A.ただ二年ごとに新しい選手が出てくることで、それまでの選手が成熟する前に競技生活を終えるのではという危惧の声も出ています。一番弟子のメドベージェワ選手は、長くフィギュアスケートを続けたいと述べてカナダのコーチのもとに去りました。グランプリンシリーズでは三人娘対世界チャンピン経験のお姉さんというロシア勢同士の新旧対決ともなり、3人娘が勝っているのです。NHK杯ではオリンピック金メダルのこちらザギトワ選手が若手の挑戦を跳ねのけるかも焦点です。
日ロ3A対決、同門のロシア勢対決と非常に面白い試合になると思います。

(石川 一洋 解説委員)

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