◆きょうから3日間、東京で海洋プラスチックごみの対策を話し合う国際会議が開かれる
6月に開かれたG20サミットでは、2050年までに海洋プラスチックごみによる新たな汚染をゼロにすることを目指す、『大阪ブルー・オーシャン・ビジョン』が合意されました。それに向けた第一歩とも言える、フォローアップ会合が初めて開かれます。
世界の海に流出するプラスチックは急増していて、対策を取らなければ2050年には海の魚の総量を超えてしまうとの予測もあります。レジ袋有料化もその対策のひとつですが、今回G20を中心に24か国の政府関係者などが集まる予定で、実務者レベルの話し合いが行われます。
◆具体的に話し合われる内容は?
各国が、こんなプラごみ対策に取り組んでいる、という効果的な政策を持ち寄って情報共有するのが中心になります。日本は小泉環境大臣も出席して、プラごみの分別回収やリサイクルの仕組み、海洋生分解性プラスチックなどのイノベーションといった日本が進めている取り組みを報告する見込みです。
ただ、「2050年・新たな汚染ゼロ」に向けた具体的な道筋などは議題に挙がらず、あくまで情報共有などに留まると見られています。
◆海洋プラスチックごみ対策はそれで大丈夫?
課題は山積しています。まず、海洋プラスチックはどこからどれだけ流出しているのか?人体にどんな影響があるのか?など、基本的な情報もまだ不十分です。とは言え、いったん環境中に微細なプラスチックが広がってしまうと後から回収するのは困難ですから、科学的データをできるだけ早く集めて手を打たなくてはなりません。
また、G20以外の国からも大量のプラごみが出ていますから、世界全体に呼びかける必要もあります。24か国で政策を発表し合うだけでなく、科学的知見をとりまとめる国際機関や条約など実効性のある枠組み作りも視野に入れて、議論を進めてほしいと思います。
(土屋 敏之 解説委員)
この委員の記事一覧はこちら