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「家計にも影響?米中閣僚協議再開」(ここに注目!)

神子田 章博  解説委員

ここに注目です。
アメリカと中国の貿易交渉の閣僚協議が今週10日から二か月半ぶりに開かれます。

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Q この絵は、お給料がどうかしたんですか?
A 「消費税はあがったのに、給料はあがらない」と嘆いているようですが、それは米中摩擦のせいでもあるようです。先週発表された日銀の短観=企業短期経済観測調査によりますと、大企業製造業の景気判断は3期連続で悪化。米中貿易摩擦の影響で自動車や生産用機械など輸出産業の落ち込みが目立っています。今後米中摩擦がさらに悪化すれば、企業業績も落ち込み、給料も増えないということになりかねません。

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Q 私たちの家計にも影響するかもしれないというその米中協議、いまどういう状況なんですか?
A 今年6月に米中の首脳会談で、話し合いモードが復活したはずだったんですが、その後トランプ政権は、関税を上乗せする中国からの輸入品の対象の拡大を一方的に打ち出し、中国も対抗措置をとるなど泥仕合が続いています。その一方でアメリカが当初、中国からの輸入品に対する関税を今月1日からさらに引き上げようとしていたのを、中国側が「その日は建国70周年のお祝いの日なので延期してほしい」と要請すると、「15日まで実施を延期しましょう」と受け入れるなど、融和的な対応もみせていたんです。

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Q すると今回の協議では合意に至りそうなのでしょうか?
A 中国政府による事実上の補助金の問題など国家の原理原則に関わる問題では依然合意は難しい情勢ですが、そうした問題は棚上げし、中国がアメリカからの輸入を大量に増やすと約束すれば、部分的に合意することはあるかもしれません。実は、中国ではいまアフリカ豚コレラが大流行したため豚肉が極度の供給不足に陥り、海外からの輸入拡大が必要になっています。一方のアメリカでは米中摩擦の影響で中国向けの農産物の輸出が減り、農家の不満が強まっています。来年秋の大統領選挙に向け、農家の票を重視するトランプ大統領としては、中国に大量の豚肉を輸出することができれば得点を稼ぐことになります。
こうした中で行われる米中協議が合意にむけてどこまで進展するか注目されます。

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(神子田 章博 解説委員) 

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